「選手の話が事実」とは言わない日大の冷酷さ

この会見で大塚学長は何をしたかったのか

「救い」は前監督等が、あまりにも明確に、一切の責任を否定したことでした。監督としてゲーム上で起きた全責任は自分にあるとポーズは取りましたが、個別的にはすべての責任を、見苦しく否定しています。

このような「事件」の場合、通常賛否両論が起こるものですが、その言い逃れの酷さで、事件の真相が明らかになったようです。誰一人指導者としてやむをえなかったという人が、今のところいないのが救いです。「やった者が一番悪い」で留めず、勇気ある加害選手がこれ以上傷つかない動きが、あちこちで起こっているのは心強い限りです。

組織内から糾弾の声

被害選手の父親はこの会見でさらに憤り、加害選手の減刑嘆願書を出すそうです。前監督等の会見中にネットで、「監督らはうそをついている」と意思表示した現役日大アメフト部のメンバーも声明を準備中など、あちこちで動きが出始めました。

この事件で加害選手が声をあげず、絶対権力者の前監督があのまま居座っていたら、このような動きはありえない事でした。中学・高校の体育会系クラブでも、離脱すると裏切り者呼ばわりされたり無視される等のイジメにあった人を、私は何人も見てきました。まして卒業後の進路まで支配されやすい大学スポーツの世界での彼の勇気と、それに応える周囲の動きに、心強さを感じないではおれません。

オリンピック女子マラソンのメダリストの指導者・小出義雄監督は、おだてて伸びる選手や厳しく指導して伸びる選手に対する指導法の使い分けのうまさでも有名になりました。私のようなスポーツオンチにまでその声は届いており、あらゆるスポーツで科学的かつ自主的な練習が効果を出しているのは、昨今では常識です。

メンタルトレーナーの活躍まで知らない者がいないスポーツ界で、選手と監督が会話もできない関係にあったとは、異常です。実力ある選手を、危機感を植え付けるために練習メンバーから外すなど、いつの時代の指導法かと疑うのです。

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