なぜバラエティ番組にパクリが蔓延するのか

面白いものを作るという気概が削がれている

現在のバラエティに感じていることをラサール石井氏に聞く(写真:KOTO NAKAJIMA)

コント赤信号のメンバーとして、1980年代からテレビバラエティの第一線で活躍してきたラサール石井氏。近年は舞台演出家としての評価も高いが、テレビ、芸能、時事など社会全般に対する舌鋒鋭い論客でもある。そんな石井氏に、現在のバラエティに感じていることを聞いてみた。

面白いものを作るという制作者の気概が削がれる理由

――まず、今時のテレビバラエティについて率直に感じられていることは?

当記事は『GALAC』6月号(5月7日発売)からの転載です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

大まかな印象ですが、今時の制作者はこの番組がいいと思ったら、すぐ右に倣えしてしまう感じですかね。昔は、他局がこんなのをやっているなら、ウチは違うもので勝負するというのが基本だったと思うんです。まぁ、「ああいう感じで、なんか違うものはできないか」ということはあったと思いますが、少し真似するときはある種の罪悪感というか、後ろめたさは付きまといました。それが今は、もう当たり前のようにパクってしまう。情報系のバラエティの何割かは「ホンマでっか!?TV」のフォーマットそのまんまです。テーマがあって、専門家の軍団がいて、司会が聞くみたいな。

――今の30代以下の制作者はデジタル世代、リミックス世代で、あるパーツを“借用”“引用”するのは当たり前の感覚だとか。またデジタルというのはデータが簡単にコピーできるというのが特徴ですね。

あぁ、そうですね。信じられないのは今、他局の番組でなく局内のものでもパクることです。昔は、局内はすごくライバル意識が強くて、あの「班」があれやってるなら、ウチはこれをやってやるというのが当たり前だったんですがね。わかりやすく言えば仲が悪かったし、それはキー局と系列の地方局の関係もそうでした。でも、それはいい意味での緊張感というか、せめぎ合いがあったからだと思うんですよ。

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