なぜバラエティ番組にパクリが蔓延するのか

面白いものを作るという気概が削がれている

最近は制作予算がないからか、番組がどんどん営業物件化してしまって、深夜帯のみならずゴールデンでも、CMの合間にまたCMを見せられるような感覚を味わうことがあります。編成局より営業が強いのか冒険的な企画にGOは出さない代わりに、「こうやったらこれくらい数字を取って、これだけ儲かる」みたいな試算が先にある。ステマとまでは言いませんが、視聴者は気づかずにそういう番組を見ているんだろうなと。

そんな状況ばかりだと、制作者は「面白いものを作ろう」という気概がどんどん削がれていきますよね。フジテレビの勢いの良かった頃、例えば「オレたちひょうきん族」のディレクターたちは、いつも闘っていました。編成から「タイトルをこうしろ」といわれても、頑として聞かない。あの「THE MANZAI」は、最初は「東西お笑い名人会」というタイトルだったものを、現場が突っぱねて「THE MANZAI」にしたことで、漫才ブームに結びついた……そんな闘いが今もあるのかどうか。どうもなさそうだなと(笑)。

よく言われることですが、今のテレビ界ではサムライのようなテレビマンは生きづらくなったんでしょうね。ただ、それは何より制作費全体のバジェットが落ちていることが大きいと思います。1時間の予算で2時間番組を作ってスペシャルにする、そこにまた営業的な要素も入れてと、テレビ局自体が代理店みたいになってしまって、モノ作りの工場、ラボのような役割をもはや果たしていないのかもしれません。そんななかでも頑張っている人はいるとは思いますがね。

「育てる」ということを放棄したテレビ

――特にバラエティは、視聴者に受け入れられて定着するまで時間がかかるといいます。にもかかわらず、目標の数字に届かなければすぐにテコ入れ、果ては打ち切りと、テレビの編成が非常に近視眼的になっていると思います。

いろいろな判断のスパンがすごく短くなっていますね。だから、新しいものを生み出すために必要な「育てる」ということができなくなっている。僕がテレビに出始めた頃は、スタッフや出演者に「若い芸人を育てる」という意志があったと思います。デビューしたら、ある種のモラトリアムみたいな期間があって、冠番組を持っている人の下でいろいろ学んで、そこから次のステップに進むという道筋がありました。今は売れると即、冠番組がもらえて、ダメなら終わりみたいな。1年足らずの間にすべてが決まる感じですよね。去年はあれだけ出まくっていた芸人が、今年は1本も出ていないなんてことが実際にあるわけですよ。芸人からしたら、誰が責任持ってくれるんだよと。

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