なぜバラエティ番組にパクリが蔓延するのか 面白いものを作るという気概が削がれている

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――こういう時代だからこそ、思い切って一つの基準だけで番組を評価することから脱却してみると、もっと面白くなりそうですね。

ただねぇ……最近、どこの町に行っても、チェーン店しかなくて、気の利いた居酒屋を探すのがすごく大変です。しょうがないからチェーン店に入ると、安いのはいいけど、やっぱりそれほど美味しくはない。別の日に、今度はちょっと門構えが違うからいい店かなと思って入ったら、メニューを見るとやっぱりチェーン店だったとか(笑)、今のテレビもそんな感じなんじゃないかと思うことがあります。

別にマツコ・デラックスさんが悪いわけじゃないけれど、マツコさんの登場は、ビフォーマツコ、アフターマツコみたいな、時代の変わり目だったという気がしているんです。最初、マツコさんのギャラは安かったと思うんです。面白いし好感度も高くて、しかも安いからみんなが使えとなって、各局マツコだらけみたいになっている。有吉(弘行)くんや坂上(忍)くんにしても、どの局でもほぼ同じような役割を期待されて、器用にこなしている感はあります。

ただ、例えば明石家さんまさんは、出演する局や番組をすごく選んだうえで、この局ではこういうことをやる、あるいはこの局には出ないとか、あのトークをここでやると別の番組で被るからしないとか、すべて計算してやっているんです。ちなみに結婚したときは「家庭が楽しいから」と、レギュラーを2本しかやらなかった(笑)。そういうのを見てきた者からすると、番組っていうのはそういうふうにして選んでいくものなんだなと。何も、坂上君がチェーン店だと言うつもりはないけれど、そういうふうに見えてしまうところはあるんですよ。

視聴者を育てていくという姿勢も必要

でも、それで視聴者が飽きるかといえば、飽きないんですよ。今の人たちは安心感を優先するから、またチェーン店行こうってなっちゃう。月1回しか行けない高い店よりも、毎日でも行ける安いチェーン店でいいという考え方だから、テレビもそうなっているのかもしれませんね。

テレビからいろいろなことを教わってきた者からすると、お客さんが望んでいるものを提供すればいいという考え方だけではなくて、こんな味もある、あんな味もあるよと教えていく、それによって視聴者を育てていくという姿勢も、必要だと思います。

(インタビュー・構成=鈴木健司)

ラサール 石井 演出家

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らさーる いしい

1955年大阪生まれ。近年はコント赤信号としてネタ番組に登場することも。最新の舞台演出はこまつ座「たいこどんどん」(5月5日〜20日、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA)、「熱海五郎一座」(6月1日〜28日、新橋演舞場)にも出演。

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