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スバルがアメリカでブランドを築けた真因 振り返れば数字を追わず着実に売ってきた

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  • 森口 将之 モビリティジャーナリスト
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ワールドスバル外観(筆者撮影)

現場の販売店はどんな状況なのか。ニューヨーク州に隣接するニュージャージー州ティントンフォールズの「ワールドスバル」を訪れた。

ワールドスバルは2001年創業で、現在は年間1600台の新車を売る。全米平均は約1000台だそうで、631店舗中84番目に位置し、州中央部・南部および海岸地域ではナンバーワンの座を維持する。さらに認定中古車も平均で月1000台売れているそうで、こちらは全米で7番目になる。

日本のSUBARUが460店舗(2017年6月現在)で約16万台、つまり1店当たり約350台を売っていることを考えると驚くべき数字だ。当然ながらスタッフは多く、65名を数える。

「正しいクルマが正しいタイミングで出てきた」

ここでも2008年以降、販売台数が伸びていた。理由として販売店スタッフは「正しいクルマが正しいタイミングで出てきた」ことを挙げた。安全で使いやすく、手の届きやすいクルマの登場と同時に、Loveキャンペーンが始まったことが大きいと語っていた。

クルマが売れている具体的な理由としては、安全性を挙げる。家族の誰が運転しても安心していられることが、所有に誇りを持てる存在につながっているという。この10年間で売ったクルマの97%が残っているそうで、保有年数の長さも特徴。家族内で乗り継ぐ人もいる。一方で新車購入者の6割は、他のブランドからの乗り換えだという。

バッジオブオーナーシップ(筆者撮影)

日月氏が指摘していたインセンティブの低さは、ブランド価値や残存価値を高めており、自信を持って売れるようになったと好評だった。敷地にはショールーム、オフィス、ファクトリーのほか広大なヤード(車両置き場)があった。米国は在庫販売が基本であり、最近の販売台数増加に対応して、近隣に2カ所のヤードを増設。新車在庫は300台に上る。

Loveキャンペーンの活動では、地域のコミュニティにかかわる「ラブプロミス」という活動がある。たとえばワールドスバルでは、小児がん基金への25万ドルの寄付などを行っている。Loveキャンペーン立ち上げに合わせ、ユーザーやコミュニティに対してのアクションを心がけているそうだ。

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【「バッジオブオーナーシップ」とは?】

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