スバルがアメリカでブランドを築けた真因 振り返れば数字を追わず着実に売ってきた

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No. 1フラッグが掲げられた米国販売店ショールーム(筆者撮影)

依然として北米市場の比率が高いSUBARU

SUBARU(スバル)の2018年3月期通期連結決算で明らかになった同年度の新車販売台数は、前年度の106.5万台から106.7万台へと微増だった。これを地域別に見ると、日本16.3万台、北米72.8万台、欧州4.8万台、中国2.7万台となる。依然として北米市場の比率が高い。

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本国の日本では不正問題に揺れるSUBARUだが、海の向こう北米での販売は絶好調の一言に尽きる。「一本足打法」などの批判が再出しそうな状況ではあるが、SUBARUの企業規模を考えれば、北米だけでここまでの台数を稼ぐ現状は逆に賞賛してもいいのではないかという気もする。

筆者は3月29日配信の「スバル『新型フォレスター』大胆変身の全貌」の取材に関連して、SUBARUの米国現地法人、スバルオブアメリカ(SOA)でシニアヴァイスプレジデントを務めるアラン・ベスキー氏に話を聞く機会があった。

ショールームには3台を展示(筆者撮影)

同氏の説明で驚かされたのは、1968年に現地で販売してから2007年までの40年間で最高18.5万台だったSOAの販売台数が、そこから10年後の2017年に64.7万台にまで跳ね上がっていることだ。

なぜ約3.5倍も急伸したのか。まず10年前の状況について、ベスキー氏は次のように語った。

「2007年にSUBARUを買わない人を調査しました。3分の2がブランドを知らず、知っていてもアイデンティティを見いだせないという結果が出ました。一方オーナー調査をすると、収入や教育水準が高く、人生に対して情熱的で、1台を長く所有し次も同じブランドを選ぶ人が多かった。彼らがクルマについて用いる表現でLoveが多かったこともわかりました」

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