異動がイヤだと辞めちゃう若手社員の言い分

職場の20代は今いったい何を考えているのか

ですから、根本的な解決策は配置ではなく、採用にあります。採った後に考えを変えてもらうのはかなり難しい。できるだけ現地で必要な人を必要な数だけ採用できるように頑張るということです。

若者の「捏造されたやりたいこと」に傾聴すべし

ただし、若手が考え方を変える可能性はまだ残っています。

というのも上述の通り、本人希望はそもそも根っこの無い「捏造されたもの」かもしれないからです。それを若手に気づいてもらえれば、「確かに、今まで思い込んでいた自分のやりたいことに、こだわりすぎない方がチャンスをつかめるかもしれない」と思ってもらえるかもしれません。そのために、若手が自分にとって大事だと思い込んでいることを、まずはしっかりと聞き出すことです。

その際、矛盾だらけでも、事実誤認があっても、即座に否定したり修正したりしてはいけません。まずは、若手が何を思い込んでいるのか、誤解しているのかわからなければ、それをひっくり返すことができないからです。

とにかく、考えていることをすべてダウンロードしてもらうために、ひたすら聞き続けましょう。「なぜ、その仕事をしたいのか」「それはどんな経験からそう思ったのか」「他にも同じことを満たせる仕事はないのか」「新しい部署や仕事ではそのことは満たせないのか」。これらの質問を、詰問調にならずに、ゆっくりと優しく聞いてあげて、自分で答えを探してもらうのです。

そして、どれだけ探しても、そこに根本的な答えが見つからなければ、ようやく自分の考えに根っこはなく、そこまでこだわる必要がない、と思ってくれるかもしれません。

文:曽和利光/株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
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