家庭用シチュー、活性化の意外な「隠し味」

そのカギを握っていたのは「夫」だった

「シチューが登場するのは金曜日が多い。東日本大震災後の“外飲み”自粛で、金曜日に自宅で食事をとる夫が増えた結果、従来の『子ども向け』の味付けでは、夫から不満が出てしまう――。それなら『夫も満足するメニュー』に高めようと思いました」

“シチューかけごはん”はアリか!?

特にクリームシチューのメニューの幅は狭い。パッケージ写真のように、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、肉が中心で、さらにブロッコリーやカリフラワーが入る程度だ。

ハウス食品では2000年ごろから「野菜摂取ができる」としてシチューの強みを訴求してきたが、別の訴求も求められた。たとえば食卓の登場頻度が高い(ヘビーユーザー)消費者ほど、シチューのとろみを強く仕上げ、主菜として考えるケースが多い。一方、登場頻度が低い(ライトユーザー)消費者ほど、とろみを弱くして副菜や汁物として考えるという。

こうした諸条件を踏まえて、新商品を開発し、市場の活性化を目指した。それが2017年8月に発売した「シチューオンライス」だ。パン食に合わせるのではなく、ごはんにかけるシチューとして、濃厚なうまみと、しっかりしたとろみをつけたという。

筆者もスーパーで「シチューオンライス」(ビーフストロガノフ風ソース)を買い、作ってみた。購入価格は248円(+税)で、同社の看板商品「北海道シチュー」(ルウタイプ)よりも1グラム当たりの単価は少し高い。パッケージ裏の「作り方」のとおり、牛肉、玉ねぎ、ぶなしめじを炒め、牛乳を加えて作り、ごはんにかけた。味については人それぞれだが、個人的には好きな味だった。

ちなみに3年前、「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系。当時の番組名)で、「シチューをご飯にかけて食べるかどうか」が取り上げられた。番組MCの2人は「かけない派」だったが、その後に別のメディアが行ったネット調査「『シチューをごはんにかける』あなたは許せる?」では、「許せる」が8割を超えたという(2015年6月~7月「Jタウン研究所」調べ)。

ハウス食品のアンケート結果では「ごはんとわける58%:ごはんにかける42%」だった(画像:ハウス食品)
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