家庭用シチュー、活性化の意外な「隠し味」

そのカギを握っていたのは「夫」だった

家庭用シチューの最新事情を探る(写真:IYO / PIXTA)

自宅で作る家庭料理で、カレーほど定番ではないが少し特別感のあるメニューといえば「シチュー」だ。

家庭で「ビーフシチュー」が少ない理由

シチューの家庭用ルウの市場規模は年間約160億円とされている。そのうちシェア7割を持つ首位のハウス食品によれば、その内訳はクリームシチューが約125億円と圧倒的に大きく、残り35億円の大半がビーフシチュー、そしてコーンやチーズなどの風味という。

「クリーム味とビーフ味でここまで差が大きいのは、クリームシチューが家庭料理として親しまれていることに加え、ビーフシチューは外食で食べられる一面もあると思います」

ハウス食品でシチューを担当する田村紘嗣氏(事業戦略本部食品事業二部ビジネスユニットマネージャー)はこう説明する。

家庭の夕食のおかずの“事実上の1位”はカレーライスだ。データで見た「おかず」順位は、1位が野菜サラダ、2位を野菜炒めとカレーライスが競っていた(2017年4~9月。「ライフスケープマーケティング」調べ)。野菜サラダにはサイドメニューのイメージが強く、野菜と何かを炒めれば野菜炒めになるが、料理の固有名詞とは言いがたいからだ。

家庭料理のメニューは、時に「外食」メニューとトレードオフの関係になる。たとえば、カレーと並ぶ国民食の「ラーメン」は、前述の調査では18位だった。外食店も多いラーメンは、家庭の夕食では登場順位が低いのだ。ビーフシチューにもその一面がある。しかもクリームシチューよりも、もう少し「ハレの食卓」感があるのだろう。

筆者は「カフェ」を中心に日本の生活文化も考察している。その視点でいえば、家庭用シチュー市場の開拓はハウス食品が果たしてきたことは間違いない。半世紀以上前の1966年に「クリームシチューミクス」「ビーフシチューミクス」を発売。これは、同社のロングセラー「バーモントカレー」(1963年発売)と「ジャワカレー」(1968年発売)に挟まれた時期だ。

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