GRスーパースポーツコンセプトのエクステリアはTS050のイメージを残しながらも独自の流麗なスタイル。ちなみにTS050とは違いフロントラジエター仕様のためフロントマスクにはグリルも用意されるが、実はこのデザインはGRモデルのアイコンとなっている「ファンクショナル・マトリックスグリル」の究極ともいえる形だ。
これらのデザインは、トヨタデザインとWECの空力チームとの合作。現時点では純粋なコンセプトモデルであるものの、基本的な部分は保安基準に合致しているそうだ。
GRとして新しい価値を提供できるか
担当デザイナーである松本宏一氏は「われわれはフェラーリのような歴史とブランド力があるわけではありません。そこでGRとして新しい価値を提供できるかの一つの挑戦になります。そのために(GRスーパースポーツコンセプトには)機能美だけでなくスーパースポーツとしてのエレガントさ、官能性をプラスしました。まだ箱根駅伝で例えるなら3区くらいで折り返し地点にも辿りついていませんが、ぜひともこの姿のままで市販化させたい」と語っている。
今回はエクステリアのみのでインテリアは公開されていないが、GRスーパースポーツコンセプトの全高はTS050よりも210mm高いうえに乗員スペースの幅も広げられており、大人2名が乗れるスペースとロードカーにふさわしいインテリアが用意されているそうだ。ルーフの「Tコネクト」のアンテナからもわかるように最新のコネクテッド技術も採用。ハイパフォーマンスかつセンシティブなモデルだからこそ“繋がる”ことの意味がより重要になってくるのだろう。
メカニズムはフルカーボン製のモノコックにプッシュロッド式のサスペンション、システム出力1000馬力を誇るV6-2.4L直噴ツインターボチャージャー+トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)を搭載する。
これだけのスペックを誇るモデルの開発は、昨日今日で実現できるはずがない……と思うのが当然だろう。それもそのはず、このプロジェクトはGRの発足に合わせてポッと生まれたものではない。
その鍵を握るのがLFAの開発テストを担当してきた伊東直昭氏である。彼は2010年にLFAが登場して以降、次世代スーパースポーツプロジェクトを基礎研究レベルで継続。その一つが2014/2015年のニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦していた「LFA Code X」という実験車両である。
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