見た目はLFAの形ながらも中身はフルカーボンモノコックにプッシュロッドサスペンションと本格的なレーシングスペックが与えられていた。筆者は当時「LFA Code Xは何に役立つのか?」と思っていたが、これこそがGRスーパースポーツコンセプトの原型だったのだ。
ちなみに当時、豊田章男社長は「トヨタは“式年遷宮”かのごとく20年に1度、技術の伝承を含めてスポーツカーを開発してきました。しかし、20年に1度開発すればいいということでなく、LFA Code Xの投入が20年先を見ながら毎年毎年より技術を深めていくためのスタートです」と語っていた。
次期スーパースポーツ開発チームは当初は非常に小さなチームだったというが、「モータースポーツを通じて量産車を鍛える」という方針のレーシングカンパニー「GRカンパニー」の発足により活性化&開発スピードがアップ。すべてのピースがうまくかみ合った結果がGRスーパースポーツコンセプトである。
伊東氏は「パワートレーンはWECからのフィードバックですが、シャシー関係はニュル24時間を10年やってきたノウハウや知見が凝縮されています」と語る。
開発の陣頭指揮を執るのは
市販化に向けた開発の陣頭指揮を執るのはC-HRを担当した「走れるチーフエンジニア」としても有名な古場博之氏で、すでにドイツのTMG(トヨタモータースポーツ有限会社)へ出向。他にもLFA開発を行ったエンジニアも数多くかかわっていると言う。
古場氏は「このクルマはどんなところでも誰でも安心して高性能を手の内で走れるようにしないとダメ。つまり、WECとニュル24時間の精神を色濃く受け継いだモデルというわけです」と語る。まだ正式な量産プロジェクトではないものの、生産拠点はトヨタ元町工場のLFA工房で熟練した匠が担当するのが自然な流れだろう。
トヨタが持つ技術をすべて盛り込んだ唯一無二の存在となるGRスーパースポーツコンセプト。友山プレジデントの「少し時間はかかりますが、必ず市販化します」と言う声と、すでに走行可能な実験車両が存在することを踏まえると、2019年の東京モーターショーには市販に近づいたプロトタイプがお披露目されるに違いない。
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