やり遂げる力は「死ぬ気で遊ぶ」から生まれる

プロトレイルランナーに学ぶ人生の極意

プロトレイルランナーの鏑木毅氏(写真提供:トレイルランニングワールド)
人生においても、仕事においても、いざというときに真の実力を出せるかどうかは、それまでくぐってきた修羅場の数で決まる。プロトレイルランナーの鏑木毅氏は、なぜ最も過酷なウルトラトレイルの世界で、トップランナーの仲間入りができたのだろうか。
いじめられっ子、三流ランナー、無気力公務員から40歳で世界3位になった鏑木氏の著書『プロトレイルランナーに学ぶやり遂げる技術』には、ビジネスパーソンが修羅場を乗り越える際に大いに参考になる「技術」も紹介されている。

今日は身体がダルいから、サボりたい。昨日遅くまで仕事だったから、今日はゆっくり休みたい。雨だから、ちょっと軽めのメニューにしておこう。少しでもラクをしたいという誘惑は、あらゆるところから忍び寄ってきます。そんなとき、僕は「これは練習じゃなくて遊びなんだ」と思うようにしています。そう思うと、不思議と気持ちが前向きになれるのです。

根っこにあるのは、山を走ることが好きということです。山を走ることで自分が解き放たれ、どこまでも自由になれる、100%以上の力を出し切れると思っています。

トレイルランニングのおもしろさに衝撃

28歳ではじめてトレイルランニングというスポーツに出会ったとき、そのおもしろさに衝撃を受けました。はじめて出た山田昇記念杯登山競争大会で優勝し、その後、レース以外にもあちこちの山を訪れました。登山やトレッキングなら2、3日かかるようなルートでも、走っていけば1日で行ける。そして、山を走るときに五感全部を使って感じる爽快感と、次はどんな景色が見えてくるのかというワクワク感。こんなに気持ちいいことはない、これ以上おもしろいものはないというのがすべてのベースです。

とはいえ、毎日同じようなトレーニングをしていると、どうしても「こなす」意識が出てきてしまって、100のつもりが70や80の力しか出せないことがあります。ウルトラトレイルを走るうえでは、12時間、20時間走り続けるようなキツいトレーニングも大小さまざまにある練習における大事なピースの一つですが、これを「やらなきゃいけない」「このピースをはめ込まなきゃいけない」と思った瞬間、そこに義務感が出てきてしまう。

ただでさえキツいトレーニングなのに、誰かにやらされて走るのでは、力が出せるはずがありません。そんなときこそ、「これは遊びなんだ」と思い込むことが大事なのです。

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