「暗闇フィットネス」なぜここまで人気なのか 「クラブ」代わりに通う音楽好きが続出

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銀座店の受付。受付業務もインストラクターが兼務する(筆者撮影)

ビルの地下にある店舗に入店すると、エントランスは照明が暗くムーディ。「運動」という健康的なイメージとは相反する。受付にいる男性はインストラクターでもあるそうで、お客であろう女性と親しそうに会話をしている。インストラクター自身が受付も務めることで、会員とコミュニケーションを深める意味もあるかもしれない。

専用のシューズを身に着け、レッスンスタジオへ。前方中央のインストラクタースペースに向かい、約50台のフィットネスバイクが隙間なく並ぶ。フィールサイクルならではの、圧倒される光景だ。

バイクのペダルに装着する専用シューズを使用する(筆者撮影)

インストラクターによると、まず正しい姿勢をとることが重要という。腰骨の高さにサドルをセットし、サドルに座ってから専用シューズで、足のつま先部分をペダルに固定する。正しいフォームでこぐためだ。これにより太もも裏のハムストリングスや内転筋が鍛えられ、ほどよく筋肉をつけることができる。

床にしたたり落ちるほどの汗をかく

体験レッスンで受けたのは、一番強度の低い、ボディバーンレベル1のクラスだ。とはいっても、45分休まず動き続けるので、床にしたたり落ちるほどの汗をかく。

なじみのない音楽ではあるが、音楽に合わせて体を動かすのはやはり心地いい。スポットライトのあたったインストラクター席に近いバイクを使ったため、真っ暗闇ではなく、少し明るめ。また、ビカビカと照明に照らされるので、「人に見られていない」という安心感はあまりない。

レッスンが佳境に入ると、なんといっているのか、インストラクターのかける英語の呼びかけに答え、周囲のバイクから「イエーイ」と声が上がる。正直なところ、とてもそこまで自意識を捨てることはできなかった。

ただ、ダンスを組み合わせた運動のような複雑な動きがない分、頭をからっぽにして、音楽に合わせ体を動かすことに集中できる。さらに周囲が暗闇であれば、集中力を高めてもくれるだろう。初心者でも、体を動かす気持ちよさを味わうことができた。あとで下半身を中心に強い筋肉痛が生じたため、とりあえず筋肉を使ってもいるのだろう。

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