安全問題浮上のUSJ、9年連続値上げの通信簿 決算公告で読む、コムキャスト買収後の状況

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2012年に子供向けエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」をオープン、2014年のハリー・ポッターエリアの開業で客数は過去最高を記録。2015年には沖縄進出構想とともに、再上場の計画を公表するなど話題になった。

だが、2017年5月にはユー・エス・ジェイの51%の株を保有していた親会社の米コムキャストが残りの株式をゴールドマン・サックスらから総額2548億円で買収し完全子会社化。再上場の話は立ち消えになった。

現在のユー・エス・ジェイのバランスシートを見ると、総資産は7613億円と、売上高で倍以上もあるオリエンタルランドに匹敵する規模に膨らんだ。そのうち固定資産が6987億円、固定負債が4384億円に膨張していることから、株主が変遷する中で巨額の負債と自己のれんを抱えたものとみられる。

USJが抱える抱える課題

コムキャストは、傘下のNBCユニバーサルが運営するロサンゼルスやフロリダ、ライセンス展開するシンガポール、そして建設中の北京を含め、ユニバーサル・スタジオの世界展開を進めていく方針を掲げている。

だが、冒頭のザ・フライング・ダイナソーはでは過去にも不具合が起きており、安全に向けた投資が最優先であることは言うまでもない。

米国資本の完全傘下に入ったユー・エス・ジェイは、新アトラクションやイベントへの積極投資を続けながら、安全対策を万全にした上での顧客の体験価値を向上させることができるのか。今後の持続的な成長のポイントとなりそうだ。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事