「新人教育」を嫌厭する20代若手社員の言い分 そんな場合に管理職はどう対応するべきか
例えば、ネガティブなことをフィードバックするような仕事はこちらがやり、成功した時に褒めることは若手に任せる、など。ほかにも、最初に仕事の基本や共通言語を教えたりするのは経験豊富で全体感のあるオッサン世代が引き受け(あるいは研修会社でも良いかもしれません)、その後少しは新人が自走できるようになってから若手に引き渡すことで、少しでも負荷を減らしてあげることも大切です。
「かわいい後輩」と感じるために最も大事な要素
そして、その負荷の中でも最も大きなものは、育成する人とされる人の相性が悪いことです。転職理由の本音を調査すると「人間関係」がたいてい一番になるように、相性の悪い人と働くことは大変なストレスになります。逆に言えば、育成をするにしても自分と相性の良い新人を育てるのであれば、自己の確立や親密性を伸ばすことが発達課題である若手にはちょうどいい、心地良いタスクになるかもしれません。
「相性が良い」とは、似た者同士という「同質」と、助け合える者同士という「補完」のふたつの意味がありますが、後者は相性の良さを双方が自覚するために、しばらくコミュニケーションコストがかかるため、特に負荷を減らすという観点であれば、前者が良いでしょう。負荷を減らした上で、さらにこうしたパーソナリティの類似性なども考慮した上で、新人の育成担当の若手を決めてあげるのであれば、最初は多少文句を言うかもしれませんが、そのうち「かわいい後輩ができた」となってくれるのではないでしょうか。
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
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