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構図が酷似!明治14年の「森友事件」の末路 事件に便乗して権力を手にした人物は?

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  • 山岸 良二 歴史家・昭和女子大学講師・東邦大学付属東邦中高等学校非常勤講師
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このとき伊藤は、マスコミの攻撃で脅威だった国会開設を「早期」に求める運動に対して、「もうひとつの策」を打ちます。「国会開設の勅諭」を発布して、国会を開くことを約束したのです。

ただし、天皇の名の下に出されたその宣言の内容は、「9年後の明治23(1890)年に国会を開く」という、人々の期待からは遠いものでした。

権力者への道をのぼる伊藤博文

こうして伊藤は、

・政敵の大隈重信を追放
・黒田清隆を中心とする薩摩派の弱体化
・期待外れの将来の国会開設の約束で世論を黙らせる
・持論通りじっくりと時間をかけて国会を開く準備を進める

という自らの野望を同時に実現させることに成功して、長州派が主導する政権でその実権を握ります。

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その後、伊藤は自らが主張していた「プロイセン流の憲法」の制定に邁進して、明治政府の最高実力者としての基盤を固めていくのです。

近代日本を代表する偉大な政治家として、誰もがその名を知る伊藤博文も、権力闘争の場においては機を見るに敏なかなりの策謀家でした。彼に限らず、こうした意外な一面を持つ歴史上の偉人はたくさん存在します。

「歴史は繰り返す」と言われます。この明治十四年の政変は、時の権力者が自分の「お友だちに都合がいいように画策」した構図の結果です。

ひるがえっていま国内で表面化している事象も、「お友だちにおもねっての画策」という意味では、まさに「歴史は繰り返して」いると言えるでしょう。しかも、登場人物は同じ長州閥という点も注目ポイントです。

歴史を知れば、いま起きているさまざまな事件や問題は、過去にも必ず「似た事件」が起きており、それが形を変えて繰り返されているものだということがわかります。

歴史を学ぶことは、「いま」を冷静に見抜く力を身につけることでもあります。歴史を学び直すことで「大人に必要な教養」を身につけると同時に、「物事の本質を見抜く目」もいっきに習得してください。

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