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Web漫画で花を開かせた男の諦めない生き方 洋介犬は20年かけてオンリーワンに到達した

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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洋介犬さんがめげて「辞めたい」と言ったときに「辞めてくれるな」と言ってくれた人がいた。「不安の種」「後遺症ラジオ」など後味の悪いホラー漫画を描く中山昌亮さんだ。

「作品の雰囲気が似ているので読者層がかぶっていて、ネット上では『ライバルだ』という人もいますが、非常に仲良くさせていただいています。中山さんは僕がやっと売れたときに『よくぞ今まで辞めずにいてくれたね』って言ってくれて、本当に嬉しかったです」

ただ商業で売れた後も、素直にホラーだけ描いてきたわけではなかった。5年ほど前まではホラー漫画業界自体が低迷期になった。連載をはじめた媒体も、休刊になった。

「歴史も大好きだったので、三国志をテーマにした『軍師×彼女』、歴女(歴史好きの女性)をテーマにした『歴女るの!』を描きました。浮気をしてみた感じですね。ただ、どちらも結果は芳しくありませんでした」

また腐女子(男性同士の恋愛をテーマにした漫画、小説を好む女性)である奥さんをテーマにした実録エッセイ「くさったよめがあらわれた!」を発表した。

こちらは非常に高い反響があったのだが、残念ながら単行本の販売には結びつかなかった。

「歴史ものを描いても、僕のホラー漫画のファンは喜んでないし、ついてきてくれないんですよね。やっぱりホラー1本でいこうと決めました」

自身最大のヒット

その後、2015年からGANMA!で連載が始まった「外れたみんなの頭のネジ」は自身の最大のヒットになった。ただ、この作品がこれほど受けるとは洋介犬さんは思っていなかったという。

GANMA!で連載が始まった「外れたみんなの頭のネジ」(筆者撮影)

「『外れたみんなの頭のネジ』はフラッグシップではなかったんですよ。本命の企画がありまして、その企画が通るまでのつなぎのつもりではじめた企画だったんですが、想像を超えてヒットしました」

ウェブ雑誌、GANMA!自体も好調だ。アプリのダウンロード数は1000万を超えている。洋介犬さんの作品の月のページビュー(PV)は数千万単位になっている。

若い世代は、すでにアプリで漫画を読むことにまったく抵抗がなくなっているという。

「昔は“ウェブ島流し”という言葉がありました。紙媒体での連載は途中で終わってしまって、続きは誰も読んでいないウェブ媒体で描かされるという意味です。

有名な漫画家さんで『漫画は紙(媒体)で書かなければダメだ』という人も多かったです。ただ時代は変わりましたね。漫画家は早く気づいたほうがいいと思います」

ウェブメディアメインで作品を発表してきた洋介犬さんが、時代が変わったと感じたのは2015年前後だったという。

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【暇つぶしに読んでくれるようになった】

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