「異性とのトラブル」の「代償」はいくらなのか

「セクハラ」「不倫」「買春」が露見したら?

ついでに言うと、この問題で被害者とされる女性記者がどのくらい気の毒だったのか、福田次官の行為がどのくらい悪かったのかが完全にはわからないとしても、明らかにダメだったのは、女性記者の上司であるテレビ朝日の幹部だろう。セクハラ被害を訴える部下に事実上の「泣き寝入り」をさせる形となって部下を守れず、一方では部下に情報を週刊誌に横流しされて、会社を守ることもできなかった。

もっとも、このテレ朝の上司のような立場に読者が立つ可能性も大いにあるので、管理職のビジネスパーソンは「そうした場合にどうするか?」の答えを持っていなければならない。

さらに、だ。財務省のニュースに「やれやれ」と思っていたら、今度は米山隆一新潟県知事が女性問題で辞任するというニュースも飛び込んできた。米山氏は独身で恋愛は自由のはずだが、相手の女性に金銭を渡したことが露見し買春が疑われた点がまずかった。端的に言って、彼は女性を「買った」のかもしれないが、倫理的な善悪以前に、公人としてのリスク管理に問題があったと言わざるをえまい。

「異性問題」で失敗したら、年収1年分を失う!?

それにしても、セクハラ、不倫、買春などの露見による「異性問題のミス」で失脚する人が多い。そして、そのリスクは、普通のビジネスパーソンにとってもひとごとではない。

筆者も、これまで割合身近に、セクハラを本社に訴えられて失脚・退職した外資系金融マンや、部下の女性にセクハラを訴えられて更迭された雑誌編集長などの事例を見聞きしている。いずれも、本人が悪かったのか、何らかの意図や悪意があって訴えられたのかが微妙なケースだった(これらのケースでは、筆者の心証は後者に傾いている)。

次官や知事も含めていずれのケースでも、問題が公になった時点で失脚は免れないし、問題の大小にもよるが、その後の収入の道をまったく断たれるということはないとしても、失う経済価値は小さくない。

福田次官の損失額は今後収入の道をまったく断たれるということはなさそうで、失う経済価値も思われているよりは小さくなるかもしれない。一方、米山知事の場合はもう少し大きそうに見える。

ビジネスパーソンのケースなども総合すると、年収にして1年分くらいの経済価値が、「異性問題のミス」に起因する損失額(本人が悪い状況なので「被害額」や「損害額」とは書かない)になっているように思われる。

「ハラスメント」「不倫」「買春」いずれかに「解釈される事実」が「露見した」場合には、相当の損失額が現実にある。特にハラスメントに関しては、解釈の可能性に大きな幅がありうるので、自分で勝手に大丈夫だと思い込まないことが大切だ。

筆者自身にも、現在の基準で自分の過去の行動を振り返ったときに、判定は「アウト」だろう、と思い当たる言動が複数ある。おカネの運用のリスク管理と同じくらいかそれよりも大きな重要性で、行動のリスク管理が大事だと申し上げておく。

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