ディズニーの基本は90年間変わっていない 10年ぶり来日のアイガーCEOが語るディズニーの奥義
--アジアでは今後どの国や地域が伸びると考えるか。
今は日本と韓国が中心だが、日本には少子化や人口減少の問題がある。今後の成長はある程度限定的にならざるをえないだろう。
引き続き、日本は重要だが、次に来るのは中国だ。これからは中国が最大の市場になるだろう。中国だけでなく、新興国はチャンスが多い。人口が増えているうえ、テクノロジーも日進月歩で進化しているからだ。
昨年インドではメディア・娯楽大手のUTVを子会社化した。国ごとの規制やインフラ整備の違いなど課題もあるが、ディズニーブランドは着実に浸透している。コンテンツをリアルタイムに提供することは、海賊版を効果的に退治することにもつながる。
--2015年には上海にディズニーランドが開業する。東京への影響は?
東京は非常にユニークだ。来園者の約97%が国内のゲスト(来園者)、そしていつも稼働率が高く、東京として完結している。運営会社のオリエンタルランドの幹部にも申し上げたが、上海開業の影響は全くないだろう。
上海のディズニーランドの詳細はまだいえないが、ディズニーランドのシンボルである城(東京ディズニーランドでのシンデレラ城)や定番のアトラクションは変わらない。ただ一ついえるのは、(エントランスからシンデレラ城に続く)メインストリートがないこと。東京も含め、ディズニーランドには、創業者であるウォルト・ディズニーが小さいころ住んでいた街並みが、メインストリートとして再現されている。しかし中国の人々にはそれは求められていないようだ。
買収メリットは計り知れない
--「マーベル」や「ルーカスフィルム」を買収した効果は?
買収のメリットは計り知れない。ともに高品質なキャラクター、無限のストーリーを持つ。それらがディズニーと一緒になることで、さまざまな分野で存在感を示せるようになる。テレビ、グッズ商品、パーク、そしてゲームなどのインタラクティブメディアなどだ。
先週、香港のディズニーランドにアイアンマンのアトラクションをオープンさせることを発表した。米国をはじめ世界でヒットしたマーベルのゲームを作ったのは、日本のチームだ。
多くのキャラクターを持てば、海外市場を相手に開発がしやすくなる。これは日本にとってもチャンス。(11日に)安倍(晋三)首相と会った際には、マーベルのゲームやTVの例を出して、”クールジャパン”を海外に出すチャンスは多いと申し上げた。
ルーカスフィルムは世界最高のキャラクターを持つ。2015年には映画「エピソード7」を公開し、新しい製品も出てくる。スターウォーズをリアルタイムで体験した世代だけでなく、新しい世代にも、スターウォーズのプレゼンスが世界に広がる。
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