ソニーが掘り当てたエレキのサバイバル術 SONY再起動へ。打倒アップル・サムスンへの曙光(上)
変化し続ける"ゲーム・ルール"
まず、最初に日本のデジタル家電全体から見ていこう。”モノが売れない時代”とされ、とりわけ電機業界全体が不調に陥っている背景には、超円高、韓国企業の伸長といった事象も数えられるが、根本的な部分では産業構造のドラスティックな変化に対応できなかったことにある。
電機産業の歴史は、基本的なエレキの技術を応用し、新たな商品カテゴリを生み出し、枝葉のように専用機を横展開してきた歴史だ。しかし、かつてPCという汎用機(何でもできる万能機械)がワープロ専用機を駆逐したように、スマートフォンは、そうした家電業界の構造を根本から壊し始めている。すなわち、テレビ、カメラ、カーナビなどの専用機市場のうち普及価格帯の部分がことごとく侵食されているのだ。
消費者は、モノを欲しがらなくなったわけではない。お気に入りのアプリと高性能なスマートフォンさえあれば、おおむね自分の目的が達成できることを知ってしまったのだ。しかも、専用に作り込まれた優れた製品を使うと、より高品位な体験を得られるという、
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