81. 1970年代には6000円程度だったランドセルだが、現在では10万円を越える超高級ランドセルも珍しくない
82. 値段を決める一番の要素は「素材」にあり、人工皮革、豚革、牛革、コードバン(馬革)で価格帯が異なる
83. なかでも超高級ランドセルに使用されるのは〈革の宝石〉とも謳われるコードバンが多い
84. 天然皮革のランドセルは重量感はあるが、高級感、丈夫さ、傷つきにくさで人工皮革に優るといわれる
85. しかし軽さや手入れの簡単さでは人工皮革にかなわず、製造されているランドセルの7割は人工皮革である
86. ランドセルは孫のために祖父母が購入するケースも増えているが、近年人気の価格帯は3万~4万円代である
87. 小学校入学~卒業まで使用するのが基本とされ、市販品のランドセルには6年間保証がついているものが多い
88. ランドセル製作の大部分は手仕事で行われ、一体に用いられる部品は金具も含めると100個以上となる
89. 肩紐だけでも表材、裏材、ウレタンの型抜き、穴あけ、ミシン掛け、手縫いなど10工程以上が必要とされる
90. ランドセル側面にあるフックは1950年代に体操着袋など児童の持ち物が増えたことで発案された
牛一頭でランドセル5~6体分
91. 革の面積はデジ(1デジ=10cm×10cm)という単位で表現するがランドセルは表革だけで70~75デジを使用
92. それに加え、背中、肩ベルトなどのソフト牛革が約30デジ必要で、牛一頭でランドセル5~6体分となる
93. かつて男児は「黒」、女児は「赤」が主流だったが、ランドセルのカラーバリエーションは年々増加している
94. 実は鞄業界では1960年代からカラーランドセルが存在していたが、売れ始めたのは2000年代以降だった
95. イオンの「はなまるランドセル24」は24色の多色展開に加え、好きな色を合わせてカスタマイズも可能
96. 手作りランドセルで人気の萬勇鞄の「オラージュシリーズ」では「ゴールド」と「シルバー」が注目を集める
97. 女児にはピンクや赤系が人気だが、刺しゅうやスワロフスキー入りなど装飾性の高いものが増えている
98. 職人の手作りにこだわる工房系メーカーの多くは予約生産のため入学前年の5~6月から予約を開始する
99. 2011年度からの学習指導要領改訂により教育現場で配布されるプリント類がB5から「A4」に移行した
100. そのため現在ではA4クリアファイルを曲げずに入れられるランドセルの需要が高まっている
(文:寺田 薫/モノ・マガジン2018年5月2日特集号より転載)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら