61. さらに持ち手部分には派手なカラーのビニールテープを巻き付け、そのテープの色にも意味があった
62. この色に対する解釈は地域や学校によって異なるが、「赤色」は〈ケンカ上等〉や〈番長〉を意味していた
63. その一端を垣間見る1981年に発売された横浜銀蠅の代表曲『ツッパリHigh School Rock'n Roll(登校編)』
64. 歌詞のなかに赤テープ同士でタイマン(=1対1のケンカ)をはろうというフレーズが登場する
65. 不良っぽさを示す改造のみならずステッカーやカッティングシートを貼ったり、落書きする方法もあった
66. また学生鞄の持ち方にもさまざまなローカルルールがあり、肘に下げたり、脇に挟む者も少なくなかった
67. 結果、両手が自由になり、制服のズボンやスカートのポケットに手を入れるスタイルがカッコいいとされた
ナイロン製ボストンバッグが増える
68. しかし昭和が終わり、1990年代に入ると全国の私立・公立学校で制服の見直しが行われる
69. 詰襟の学ランやセーラー服が廃止され、ブレザー&ネクタイスタイルが定着すると学生鞄にも変化が現れる
70. 従来の帆布製肩掛け鞄や革の学生鞄に代わり、ナイロン製のボストンバッグ型鞄を指定する学校が増加
71. なかには通学鞄を完全自由化する学校もあり、他校の校章が入ったナイロンバッグが流行したこともあった
72. また制服のファッション化にともない、自由の女神をロゴに配した「イーストボーイ」のバッグも大流行
73. これらのナイロン製ボストンバッグは「スクールバッグ」と呼ばれるが、近年では「3way型」も登場
74. リュック、トート、ショルダーバッグとしても使用できるデザインで「ニュースクールバッグ」とも呼ばれる
75. 運動部に所属する学生の間ではスポーツメーカーが製造するエナメル仕様ショルダーバッグも人気が高い
76. 中・高校生の学生鞄はいまや制服とともに生まれ変わるアイテムとなったが、小学生のランドセル人気は不動
77. しかし近年、少子化の影響で各メーカーはデザインや素材、色にこだわった多様な製品を開発している
78. デザインは主に3タイプあり、ひとつは上ぶたが鞄の下まで覆う従来の「学習院型ランドセル」
79. また、上ぶたが通常の半分程度しかないもの、横型デザインのものなど変形ランドセルも登場している
80. そのカジュアルさから変形ランドセルも人気を集めたが、近年はスタンダードな学習院型に回帰している
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