みんクレの呆れた実態、 「調整お見舞金」の謎 ソーシャルレンディングで消えた30億円
だが、ここにはカラクリがある。テイク社は投資家に対し入力フォーム(受け付けは4月10日まで)を開設しているが、同社に訴訟を提起していないことが申請の条件となる。訴訟とは、投資家22人によって昨年9月に提起された約1億円の損害賠償請求を指しているとみられる。
同訴訟では、みんクレのほか、貸付先であるテイク社なども被告になっている。投資家の代理人を務める東京フィールド法律事務所の鈴木英司弁護士は「(調整お見舞金の支払いは)単なる時間稼ぎ。事業の内容などを見ると、テイク社に支払い能力があるとは到底思えない」と指摘する。
仮想通貨での支払いもありうる
カラクリはもう一つある。入力フォーム内の同意確認書には支払額や原資調達時期は予測がつきがたい、支払い方法は仮想通貨もありうる、これらに異議・不服はいっさい言えない、といった前提条件があるのだ。
SPCを設立するという株主やスポンサーの詳細について本誌がテイク社に問い合わせたところ、「弊社の応援企業、取引先」(社長室)と回答するのみ。現在白石氏は「体調不良のために定期的なオフィスへの出社がかなわない状況」(同)だという。
消えた30億円は行方知れずのままだ。ただはっきりしているのは、みんクレとテイク社および他の二つの貸付先がほぼ“一心同体”ということだ。
現在みんクレの代表取締役を務める阿藤豊氏は、2018年2月までテイク社の取締役を務めていた。阿藤氏はらくらくプラスでも取締役を問題発覚前から務めている。ブルーアートの代表取締役を務める澤田逸朗氏は、昨年4月に本誌が取材した時点でみんクレの投資運用部部長だった。