ライオンズ「帽子30万個」小学生にあげた意味 西武球団が40周年事業で実現したいことは?

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児童代表約40人が選手とのキャッチボールを楽しんだ(筆者撮影)

なぜライオンズは、埼玉県内30万人の小学生にベースボールキャップを贈呈したのだろうか。

小手指小学校の贈呈式に先立つ3月7日に同球団の居郷肇社長は上田清司埼玉県知事を表敬訪問し、球団の40周年を記念して「地域コミュニティ活動」などを総称する「L-FRIENDS」プロジェクトの立ち上げと、ベースボールキャップ贈呈について報告した。

「L-FRIENDS」プロジェクトは、「野球振興」「こども支援」「地域活性」の3本を柱とした地域、ファン、選手、スタッフがひとつの仲間としてつながり、未来へ夢をつないでいくプロジェクトだ。

「野球振興」としては、小学校体育授業支援や野球教室、野球用品寄付などの活動を行う。「こども支援」では「ライオンズこども基金」を設けてチャリティーグッズやチャリティーオークションによる収益の一部を積み立てて、選手会と球団で寄付・支援を行っていく取り組みを実施している。

そして、「地域活性」では埼玉県内のスポーツ団体とのコラボや、主催試合が実施される所沢市とさいたま市大宮区の商店街と共に、地域を盛り上げていく活動に取り組んでいる。

40周年を契機にファン層拡大を本格化

ライオンズは今年、ファン層拡大に向けたプロジェクトを本格化する。地域密着の球団を目指す取り組みとして、埼玉県および埼玉県内の各自治体との連携協定締結を進めている。

3月16日に久喜市と「連携協力に関する基本協定」を締結したことで、23市町との連携協定締結を完了した。連携協定を締結した自治体は「フレンドリーシティ」となり、市内在学の小学生・中学生や市外からの転入者へのライオンズ観戦チケット引換券の配布や野球教室の開催などの連携事業が実施され、ライオンズが地域活性化に協力する。

埼玉県内全小学生へのベースボールキャップ贈呈は「L-FRIENDS」プロジェクトとして実施され、子どもたちがキャップを被ってスポーツに親しむきっかけを提供することを狙う。ベースボールキャップ贈呈はライオンズファン拡大や野球人口増加に向けた「投資」なのだ。

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