健康を食い物にするサイトに下された審判 「私たちの声はグーグルに届く」

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ネット利用者の要望を重視しすぎると信頼性の低い情報が表示され、信頼性を重視しすぎるとネット利用者のほしい情報が表示できないというジレンマが存在する以上、たしかに、完ぺきというのは難しそうです。

グーグルからの異例の呼びかけ

今回の発表では、異例ともいえることに、グーグルから情報発信をする医療関係者に向けて、以下のように呼びかけがありました。

“一般のユーザーに向けたウェブでの情報発信に携わる機会がありましたら、コンテンツを作る際に、ぜひ、このような一般ユーザーの検索クエリや訪問も考慮に入れてください。ページ内に専門用語が多用されていたら、一般ユーザーが検索でページを見つけることは難しくなるでしょう。内容もわかりづらいかもしれません。”

つまり、すでにネット上には多数の「信頼できる医療・健康関連のワードについてのコンテンツ」があるが、それは専門用語が多く、一般のネット利用者が検索で使う日常的な言葉ではヒットしにくいということです。いくら信頼できる情報でも、一般のネット利用者が検索する言葉で見つからなければ、役に立ちません。

そのため、グーグルは医療関係者に対して、わかりやすい言葉で情報発信をするようにと求めたのです。いくらグーグルでも、グーグルだけの力では、検索結果を良くすることはできません。その利用者と協力して自浄作用を働かせていくというのは、非常にネットらしい一手だといえるでしょう。

辻氏は言います。

「今、ボールは健康・医療情報の提供者側に投げられました。多数の一般サイトが退場させられた結果、検索結果が貧相になっている部分は明らかに見られます。つまり今は、専門家の発信する情報を重視したものの、専門家が情報を十分に発信していないため、中身がない状態、とも言えるのです」

今回、大幅に順位を上昇させたのは、大手報道機関や大学・公的機関、製薬会社、医療機関のサイトなどです。

「そこから情報発信がなされること、また、そのようなサイトはウソや不正確な情報を発信しても上位に表示されやすいので、その内容をチェックすることが必要でしょう」

辻氏は、WELQ問題からの一連の流れから「私たちの声はグーグルに届く」と強調します。

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