「損な選択」ばかりしてしまう人の思わぬ盲点 ノーベル賞でも話題の「行動経済学」から学ぶ
例えばこんな話。
うり彦はコンポをビッグ無線で買えば300円安く購入できるのに、わざわざ高い方を選んで購入しています。それは一体なぜか? 『ヘンテコノミクス』を読み進めてみましょう。
おカネの価値を変えてしまう「感応度逓減性」
これを行動経済学では「感応度逓減(ていげん)性」と言います。今回のうり彦のように、私たちは全体の母数の大きさによって同じ金額を大切に扱ったり、邪険にしたりと勝手にその価値を変えてしまう場合があります。
つまり、5000円の買い物をするときの300円と、19万5000円の買い物をするときの300円が違う価値になってしまうということです。
私にも思い当たる節があります。無駄な気はしているのに、射幸心にあおられて宝くじのスクラッチをやってみたり。無駄遣いしたなと思っているときに、喉がかわいているけれど定価で飲み物を買うのはもったいないから、家まで我慢しようと思ってみたり。割高でまずい居酒屋に行った翌日、購買意欲が著しく落ちたり。食欲も落ちたり。海外旅行に行くと、必要以上に多く消費してしまったり。免税ショップはうっかり寄ってしまったり。お土産を買う気分になったり。
ところでうなぎ屋で松・竹・梅のうな重をメニューに載せておくと真ん中の竹が一番売れると聞いたことはありませんか。
松(3000円)竹(2500円)梅(2000円)……。うーん、消費税を入れると3240円、2700円、2160円ですか、ゴニョゴニョ。
世の中は選択であふれていますね。
(文:佐藤 樹里)
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