「損な選択」ばかりしてしまう人の思わぬ盲点 ノーベル賞でも話題の「行動経済学」から学ぶ
2017年10月に発表されたノーベル賞。残念ながら日本人の受賞者はでませんでしたが日系人のカズオ・イシグロ氏の受賞がお茶の間を賑わせました。
そのほかに注目度が高かったのが、経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授です。「行動経済学への貢献」で受賞されたセイラー教授は、行動経済学の分野に「心理学」を取り入れた第一人者でもあります。
人間は「非合理的な選択」をする生き物
元来、経済学で仮定するヒトのモデルは「合理的な選択をする人」です。
例えば車を買うと決めているAさんがいるとします。今月買えば消費税8%で購入でき、来月買うと消費税10%で購入できるとします。合理的な判断をする人は、今月車を買おう、という判断を下します。Aさんも、今月車を買うことにしました。
ところが、車を買おうと思っていた矢先に財布を落としてなくしてしまいました。中には10万円が入っていて、からっぽの状態で戻ってきました。Aさんはひどく落胆し、今月車を買うことをやめてしまいました。
そう、時に人は心理的な要因により、経済活動の選択を変更せざるをえない状況に遭遇します。
可能な限り人の心のしくみを経済学とミックスさせて考えた学問が「行動経済学」になります。
私たちはしばしばギャンブルにはまったり、衝動買いをしたり、太るのは嫌だと思いながら食べるのをやめられません。行動経済学は、従来の経済学では説明しきれない人間の経済行動を人間の心理という視点から解明しようという新しい経済学です。経済学でもハードルが高いのに、小難しそうな行動経済学なんか文の本でなんか理解できない。そんな声が聞こえそうですが安心してください。『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』を読めば理解ができます。