トヨタ「スープラ」復活までの知られざる裏側 伝統のFR・直6エンジンレイアウトを踏襲

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インテリアはレースに不必要なアイテムは取り外され、各種レース用アイテムが組み込まれている。インパネ上部とセンターのモニター(後方確認用)が見えるが、ここから市販モデルを予想するのは難しい。ただ、歴代スープラと異なるのは、後席がない2シーター仕様であることだ。

「スポーツカーは基本素性が重要です。これまでトヨタはスポーツカーでも色々な要件を盛り込みすぎて、結果的に中途半端なモデルなってしまっていた反省もありました。そこで今回はピュアスポーツとしてベストなホイールベース/トレッドを優先させてレイアウト。そのため2シーターに割り切りました」

歴代スープラから継承しているポイント

ちなみに歴代スープラから継承しているポイントは「FR駆動」と「直列6気筒エンジン」の2点。パワートレインに関しては具体的なスペックは公表されていないものの、BMWのエンジンラインアップから推測すると350~400馬力前後の3Lターボエンジンを搭載するだろう。トランスミッションは2ペダル(DCTか!?)のみの設定という噂が強いが、3ペダルMTの可能性はゼロではないそうだ。

トヨタは2025年をメドに全車種に電動車両を展開することを発表済みだが、この次期スープラが純粋なエンジンのみを搭載する最後のトヨタ車かもしれない。車両重量はi8/i3で培ったカーボン技術を応用、かなり軽量に仕上がっているそうだ。

多田氏は86でトヨタ×スバル、パッソ(初代)でトヨタ×ダイハツと異なるメーカー同士の共同開発を経験しているが、今回のトヨタ×BMWの共同開発はどうだろうか?

「86をスバルと共同開発した時も『大変だったな』と思いましたが、今回はその比ではありませんね。文化はもちろんクルマ作りのアプローチも全然違います。なので、開発当初はギクシャクしていたこともありましたが、『どんなクルマにしたい』という本音をぶつけ合うことと密にコミュニケーションを取ることで、現在は非常にいい関係を築けています。そういう意味では、『居酒屋トーク』と『人』のつながりというのは世界共通ですね」

ベンチマークはポルシェ。芸術作品ではなく工業製品としてのスポーツカーを目指しているそうだ。トヨタスポーツのフラッグシップ、スープラ復活まであと少しの辛抱である。

山本 シンヤ 自動車研究家

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やまもと しんや / Shinya Yamamoto

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“わかりやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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