日本のトイザらスが米国と違い大健闘のワケ 米国はアマゾン効果よりもLBOの負担で自滅

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――オンラインでの販売シェアはどの程度でしょうか。

公表していないが、オンラインのシェアが増えていることは確かだ。

――新しい基準の店作りを増やしていくのですか。

2016年以降に出店した小型店4店は新型店舗だ。港北ニュータウン店とマリノアシティ福岡店(福岡市西区)の2店はリニューアルで新型店舗に衣替えした。今年度は小型店を7~8店オープンする。それらは新型店舗となる。リニューアル店の数はまだ固まっていない。米国の影響があるからだ。順次リニューアルを進めていくことになる。

日本トイザらスは米国トイザラスと日本マクドナルドの合弁で1989年に設立、1991年に国内第1号の荒川沖店(茨城県)をオープンした。当時の日本は、中小小売店の保護・育成のために大規模小売店舗法(大店法)によって大型店の出店が規制されていた。2店目となる橿原店(奈良県)には当時のジョージ・ブッシュ米大統領が視察に訪れる。日米貿易摩擦が激しい時代、小売業界の黒船とも呼べる存在だった。

ネットとリアルをうまく組み合わせていく

――日本トイザらスといえば、大店法改正の原動力にもなった大型店の象徴です。それが小型店を増やしているのはなぜでしょう。

 確かに新店はほとんどが小型店です。昔は都心部から離れたところに大型店を出店することが多かったが、2010年以降はショッピングセンター(SC)内の店舗を増やしてきた。最近は、より都心部の小型店が中心となっている。それはお客様の人口動態の変化に対応した結果であり、お客様との距離を少しでも近くするためです。

日本トイザらスのハーベル社長は、競合に勝つためにも、店舗への投資の必要性を強調する(撮影:今井康一)

――オンライン販売が増えて店頭在庫が少なくて済むようになったことも小型店重点戦略に影響していますか。

それも一因だ。必要な在庫は店とオンラインのトータルで考えることができるようになったため、店が小さくても問題がないという側面もある。結果的に運転資金も圧縮できる。オンラインの便利さもあれば、店舗の良さもある。ネットとリアルをうまく使ってお客様と接点を持つオムニチャネル戦略が必要になる。

――米国と比べ、日本は実店舗の強みが打ち出しやすいと感じますか。

やはり米国とは違う。米国では車でしか店に行けないが、日本は自転車や電車で子どもだけでも店に来ることができる。

――日本の少子化は今後も進みます。先行きは厳しくありませんか。

少子化でも売り上げ規模を拡大することはできる。昔に比べて今の子どもの方が玩具をたくさん買ってもらえる。今後は勉強の興味をサポートする知育玩具や健康によい玩具に力を入れることも考えている。現在行っている店舗のリニューアルで終わりではなく、もっとよい店にする、もっとよいモノを提供するなど、毎年ベターベターにしていく。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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