キティちゃんも真っ青、欧米「失速」のピンチ 勝ち組・サンリオ、ライセンス事業に異変

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都内で開催された「SANRIO EXPO 2016」。主力のキティをはじめ、さまざまなブランドの商品戦略がお披露目された(写真:記者撮影)

9月上旬、都内で開催されているサンリオの新商品展示会を訪れた。これは「SANRIO EXPO 2016」と称し、年に2回開催されている取引先を対象としたものだ。東京では9月5日~9日まで、大阪で15、16日に行われている。

会場では、国内外問わず人気の「ぐでたま」の「しゃべる抱きまくら」や「しゃべる電卓」、2016年サンリオキャラクター人気投票で1位を獲得した「ポムポムプリン」、2017年にデビュー15周年を迎え“活性化”に力を入れる「シナモロール」などの新商品が並べられていた。

【2018年3月14日11時00分追記】初出時、新商品として記載していた「シナモンロール」は名称に誤りがあったため、正しい名称の「シナモロール」に修正しました。

そのほか、ゲーム・アニメファンの取り込みに成功した「SHOW BY ROCK!!」の新シリーズの放送情報、「イケメン」「恋愛」「青春ストーリー」という3つのテーマを軸にアプリゲームと少女向け雑誌でのマンガ連載などで10代女子のファンを獲得している「サンリオ男子」などのブースも並ぶ。

業績は減速傾向に

イベントの活況ぶりとは裏腹に、サンリオの業績は冴えない。直近では2014年3月期にたたき出した営業利益210億円をピークに、前2016年3月期には同126億円(前期比27.4%減)まで減少。今2016年4~6月期(第1四半期)に至っては同20億円(前年同期比41.5%減)と低迷している。

同社の事業には、物販とライセンスという大きく2つの柱がある。元々は自社で開発するキャラクターを商品化して、直営店舗での販売を核に成長してきた。が、2010年頃からキャラクターの商品化権許諾契約にかかわる使用料を収入源とした、いわゆるライセンスビジネスに舵を切っている。

現在は国内で開発したキャラクターを海外で展開しており、海外事業の売上高は全社の約4割を占めている。日本国内は好調を維持するものの、収益拡大の牽引役だった海外が急減速していることが、減益の要因だ。

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