キティちゃんも真っ青、欧米「失速」のピンチ 勝ち組・サンリオ、ライセンス事業に異変
米国では、ウォルト・ディズニーの映画「アナと雪の女王」(原題:Frozen)が2015年に大ヒットして以来、競合となる映画キャラクターに押され、ウォルマートやトイザらスなど大手小売量販店で、ハローキティのライセンス商品の陳列スペースが減少し続けている。
一方、2010年の債務危機以降、消費環境が厳しい欧州では2011年3月期をピークに、売上高、利益ともに右肩下がりだ。かつて欧州は、今年6月に退任した鳩山玲人氏が中心となり3年程前から立て直しに当たっていた。
次期社長候補を襲った悲劇
鳩山氏は2013年に急逝した辻信太郎社長の長男、邦彦氏(当時、副社長)が三菱商事から引き抜く形で2008年にサンリオへ入社。邦彦氏とともに海外ライセンス事業を大きく伸ばした立て役者とされる。
だが、邦彦氏が亡くなった後、一時は次期社長との呼び声も高かった鳩山氏の退任劇は、「辻社長が欧州の長期にわたる低迷にしびれを切らした」(サンリオ関係者)という形で決着をみた。
2016年6月の株主総会で鳩山氏と入れ替わりで、取締役に就任したのが信太郎社長の孫の朋邦氏。信太郎氏は、弱冠27才の朋邦氏を次期社長に育てる方針のようだ。
懸案の欧州は、現地のライセンスビジネスに精通した人材の獲得がカギとなる。今後は営業人材の獲得、現地ライセンシーとの関係再構築に重点を置き回復を狙う。米国は新たなライセンシー開拓に邁進中だ。欧米の底打ちにメドがつき次第、新たな中期経営計画を発表する予定だが、現状、回復傾向はみられない。
朋邦氏が経営者として成長するまで、邦彦氏の妻である「辻友子取締役が次期社長になるのではないか」というのがもっぱらのうわさだが、米寿(88歳)を迎えた信太郎氏が去就を決するのはいつになるのか。同族企業サンリオの復活は2代目社長の力量にかかってきそうだ。
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