「就職力」の強い大学トップ100ランキング 約2000の進学校の進路指導教員が評価

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ランキングのトップは、8年連続の明治大学だ。ポイント数において他大学を大きく引き離している。歴史のある就職出陣式など、就職への取り組みが見えやすいことが、長くトップをキープしている一因だろう。もちろん、就職に力を入れていても、かけ声だけでは評価されない。

明治大学の2017年卒学生の就職者が多い企業を見ると、みずほフィナンシャルグループや損害保険ジャパンなど、金融を中心に大手企業が並ぶ。こうした就職実績も含めた評価になっている。

ランキングの上位には、3位の立命館大学をはじめ、4位の法政大学、7位の中央大学、9位の青山学院大学、10位の近畿大学、11位の日本大学、13位の早稲田大学、15位の立教大学など、伝統的に大企業への就職に強い、大規模総合大学が数多く入っている。就職実績から「就職に力を入れている」と評価されている側面も大きいのだろう。

これらの大学に共通している強みは卒業生の力。リクルーター制を採用するのは大企業に多く、そこに多数の卒業生がいることは大きなアドバンテージだ。リクルート就職みらい研究所の「就職白書2018」の採用活動プロセスごとの実施状況調査によると、「リクルーターによる接触」を実施している企業は、回答企業全体の38.7%。従業員規模が大きくなるとともにその割合は高くなり、300人未満の企業が33.4%なのに対し、5000人以上の大企業は49.5%が実施している。こうした状況下で大企業の就職実績が高い大学が有利になるのは自明なことだ。

大企業OB・OGとのパイプをフル活用

さらに同白書によると、採用活動において「OB・OG訪問を企業として積極的に受け入れる」と回答した企業は、前年を2.2ポイント上回る21.7%。そのうち5000人以上の企業は、前年より5.8ポイント増え18.1%となっている。高い割合ではないものの、大企業では確実に実施率が上がっている。大企業に数多くの人材を輩出している強みが、就職実績において好循環を生むという傾向は、今後も強まりそうだ。

大学側も卒業生とのパイプを積極的に活用している。法政大学は、若手・中堅の卒業生で構成する「法政企業人コミュニティ(法政BPC)」を組織し、学内においてOB・OG訪問を実施するなど、交流の機会を設けている。ロールモデルともいえる卒業生のアドバイスは、実感を伴って在学生に響くものがあるのだろう。

1999年に全国の大学に先がけて就職部をキャリアセンターに改組し、包括的な進路・就職支援に乗り出した立命館大学は、卒業生による「キャリアアドバイザー」が業界・企業研究、面接対策などを行う。立教大学は学内に複数業界の卒業生を招き、「学内OB・OG訪問会」を実施する。

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