喫煙と肺がんの実はよく知られていない関係 タバコは一体何が体によくないのか

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タバコを吸うと、どのような影響があるのでしょうか(写真:EKAKI / PIXTA)
禁煙できる人とできない人の差はどこにあるのでしょうか? 『吸いたい気持ちがスッと消える 医者が教える最強の禁煙術』を著した山王病院副院長の奥仲哲弥氏が知られざるタバコの影響を解説します。

「タバコを吸うと肺ガンになる」は本当?

もはや常識になっている「タバコを吸うと肺ガンになる」という因果関係ですが、それがウソだとしたらびっくりしますか?

ある意味ではウソなのです。

私が最近手術をした肺腺ガンの患者さん100人のうち、半数以上の60人が非喫煙者でした。肺腺ガンは、肺ガンの半分以上を占める代表的なガンですから、このデータを見る限り「タバコを吸うから肺ガンになる」とは限らないと思います。

もちろん肺腺ガン以外の肺ガンはタバコとの因果関係が明らかになっていますが、それは80歳くらいまで生きた場合の統計です。たとえば30〜40代の人たちでみれば、30代の男性が40代までに肺ガンを含めたすべてのガンになる確率というのはわずか0・5%しかありません。

中年以前の年齢の人に限っていえば、「タバコを吸うと肺ガンになる」という事実は、喫煙とは無関係です。

これを聞くと多くの喫煙者が「なんだ、肺ガンにならないのか」と安心してポケットからタバコを取り出そうとします。でも待ってください。私がお伝えしたいのは、タバコが肺ガンの原因かどうかという話であって、タバコが健康によいということではありません。

タバコの恐ろしいところは、肺ガンになった後なのです。

喫煙者のガン患者は、医師から次のような事実を告げられて真っ青になります。この段階で必死の禁煙を始める人がたくさんいます。

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