喫煙と肺がんの実はよく知られていない関係 タバコは一体何が体によくないのか
「タバコの害」というと、多くの人が煙とタールばかりに注目します。そして煙とタールが少ない加熱式タバコなどに人気が出ます。
タバコの害は煙とタールだけではありません。たしかにタールは発ガン物質を多く含み、おもに肺や咽頭をターゲットにします。ところがタバコの三大毒物といわれるタール、ニコチン、一酸化炭素のうち、ニコチンと一酸化炭素は全身に被害を及ぼします。とくに血管に対するダメージはひどく、中年以降の突然死の多くが、タバコによるものではないかと疑われています。
ニコチンにはさまざまな毒性がありますが、血管に関することに限定すると、「血管を収縮させる」という作用があり、それによって血圧が上がります。
体内に吸収されたニコチンが副腎を刺激することにより、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどのホルモンが分泌されますが、これらのホルモンが血管を収縮させる働きをするためです。
ニコチンは交感神経を活発にしますが、そのことによっても血圧は上がります。ニコチンは高血圧症の原因になるだけでなく、血管を傷めることにより動脈硬化を招きます。タバコを吸うたびに血圧が10〜20㎜Hgも上昇するので、1日に何回も血管が余計な負荷をかけられるためです。
吸った本人はリラックスしていると思い込んでいるため、血圧が上がっていることを意識しません。これにより、自覚しない高血圧状態がタバコを吸うたびに繰り返されます。ニコチンと一酸化炭素のダブルパンチが血管を傷めていることは、意外に知られていません。しっかり認識して、大切な血管を長持ちさせたいものです。
タバコの毒が「合わせ技」で血管の若さを奪っていく
タバコは血管をどんなふうに老化させ、痛めつけていくのでしょうか。
まずは「活性酸素」です。タバコの煙には活性酸素を発生させる成分が含まれているため、タバコを吸うと血液中に活性酸素がたくさん発生します。これが血管を老化させ、血栓を作り出すもとになります。
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