GMも圧倒する「グーグル」自動運転技術の脅威 800万kmもの公道試験で走行データ蓄積
「自動車業界の競争の中心はかつて販売台数をめぐるものだった。だが今は、グーグルやアップル、アマゾンといった新しいプレーヤーが登場している」(2017年8月)
「今のライバルは車を造る企業ではなく、テクノロジーを生み出す企業だ」(2017年9月)
「異業種も巻き込んだ新たな『競争と協調』のフェーズに入っている」(2017年11月)
これらはどれも直近1年間のあいだにトヨタ自動車の豊田章男社長が発信したメッセージだ。自動車業界は今、「CASE」の頭文字を取って、コネクティビティ=通信と車の接続、オートノマス=自動運転、シェアリング=共有サービス、エレクトリックモビリティ=電動化という4つの変化が同時多発的に起きている。まさに100年に1度の大転換期が到来している。
「MaaS」の市場が生まれる
3月5日発売の『週刊東洋経済』は「トヨタ 生存の条件」と題して、生きるか死ぬかの戦いに挑むトヨタに迫っている。
自動運転やコネクティッドといった新技術が組み合わされると、ロボットタクシーや無人運転のライドシェア、さらにはeコマースと連動した自動配送の物流など、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」と呼ばれる新しい事業領域が生まれる。
米調査会社ストラテジー・アナリティクスは、これらのモビリティサービスの市場が2050年に7兆ドル(約740兆円)に達すると推測する。
MaaSが実現した社会を見据えると、「今、自動車会社に求められているのはディベロッパー(都市や街の開発事業者)的発想だ」(名古屋大学客員准教授で自動車とITの両業界に精通する野辺継男氏)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら