GMも圧倒する「グーグル」自動運転技術の脅威 800万kmもの公道試験で走行データ蓄積
人とモノの移動が最適化しながら既存の都市計画を変革するような力を秘めているのがMaaSであり、新しい都市計画を考慮してライドシェアの需要予測と車両の最適配車を行うようなサービスプラットフォーマーが、未来の自動車産業で力を握る。
モビリティサービスの時代にも主導的な地位にとどまるべく、トヨタはすでに未来創生ファンドや、人工知能(AI)研究を行う米国子会社のベンチャー投資ファンドを通じ、AIからドローン、自動運転など全方位で仲間作りを進めている。
走行距離で自動車会社を圧倒するグーグル
とりわけデータ解析やディープラーニングが開発のカギを握る自動運転の領域において、トヨタなど旧来の自動車会社にとっての脅威となっているのがグーグルだ。
グーグルを傘下に持つ持株会社アルファベットの自動運転開発子会社ウェイモは、今年2月までに公道での実走行距離が800万キロメートルに達した。シミュレーションでの走行経験と合わせて、他の自動車会社を圧倒する走行データを蓄積している。
米カリフォルニア州の交通当局(DMV、Department of Motor Vehicles)に提出された資料からウェイモは、公道試験56.6万キロメートルの間の「ディスエンゲージメント」(自動運転が解除され人間が介入する)は63回にとどまったことがわかる。単純計算で平均9000キロメートルを人間の介入なしに自動走行できたことになり、この距離は米ゼネラル・モーターズ(同2000キロメートル)や日産自動車(同300キロメートル)を大きく上回る。
こうしたデータを踏まえ、「自動運転ではグーグルの勝利で決着がついた」(前出の野辺氏)との見立ても出てきているほど、グーグルの存在は無視できないものとなっている。
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