「授乳フォト」を渋谷の中心で撮影するワケ

子育てはもっと自由でいい

――渋谷のスクランブル交差点で撮影したのは、何か意味があったんでしょうか?

「都会の中の野生」という言葉がよく似合う人(写真:Satoko Mochizuki)

望月:特に意味はなくて、シンプルに似合っていたんですよ。櫨畑さんって、今の婚姻制度とかが整った社会では発揮しにくいものを体現してくれるイメージがあって。

結婚せずに1人で産んで育てちゃうのもそうですけど、自分の中の"野生の勘"をみたいなものを大切にしていると感じていて。「都会の中の野生」という言葉がよく似合う人なので、それを表現できるのが渋谷かなと思った、という感じです。

子どもを"自分には関係ないもの"にしようとしている

――写真自体に強いメッセージ性はないとのことでしたが、先ほどお話した授乳の不便さなど、子育てする中で、社会に対して何かを感じることはありますか?

櫨畑:出産するまで知らなかったんですけど、「授乳を見て気持ち悪いと思う」という意見がネット上にあって衝撃を受けたことはあります。

「授乳室に行け」という意見もあったのですが、百貨店の高層階やショッピングモールなどの商業施設にはあるけれど、私が住んでいる下町にはほとんどなくて。

実際にお腹が空いてギャンギャン泣きわめいている子がいるのに、わざわざ建物に入って、エレベーターに乗って、高層階まで行かなきゃならないなんて不自然だなと思っているんです。

――泣いたら泣いたで「早く泣き止ませろ」という視線を向けられることもきっとありますよね。

櫨畑:そうなんです。授乳だけじゃなくて、おむつ替えも「トイレのおむつ替えシートでするのが当たり前」という人も多いと思うんですが、おむつ替えシートも増えてはいるものの、どこにでもあるわけじゃない。

おむつ替えシートを探している間におむつから便がはみ出して背中に漏れてしまうこともありました。でも、ちょっと長い椅子や、ベンチなんかがあればサッと替えられます。

子育ての現場、たとえばおむつ替えや授乳を見えないところに追いやることで、子育てや子どもに対しての免疫がどんどんなくなっていく。

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