中国製「がん治療薬」の無視できない有望性 米国の承認まであと一歩という新薬も

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中国の食品医薬品管理当局は近年、悪質な医薬品を製造する企業の取り締まりに乗り出し、治験に国外のデータを使用することも認めた。

こうした変化と政府の支援もあって、外国で経験を積んだ専門家たちが中国に戻ってきている。

海外進出には今なお高い壁

ホアン・シェンは、米国でイーライリリーやファイザーに20年勤務した後、2011年にファイザーの中国での治験を率いるため帰国。現在は中国のバイオテク企業I-Mabバイオファーマで研究開発部門のトップを務める。同社に対しては自治体政府が資金を援助し、先端企業が集まる地区に研究施設のための用地も提供している。

I-Mabバイオファーマの研究者たち (Yuyang Liu/The New York Times)

シェンは中国を米国の投資環境と比較し、「投資家を説得するのに莫大な時間を要することなく、資金がついてくる」と語った。

しかし、海外進出を目指す中国の製薬会社には今なお壁が立ちはだかっている。米国など主要な市場は競争が激しく、中国企業は特に研究資金が不足していることが足かせとなっている。

ジェネリック薬品の製造から新薬の開発への転換を進めている江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ)は、中国の製薬会社としては最大の研究費用を誇るが、1億8000万ドルという年間予算はファイザーが2016年に研究に費やした78億ドルには到底及ばない。

それでも、複数の新薬が治験の初期段階にある中で、「最終的な目標」は米国での承認だと同社の研究開発部門を率いるチャン・リャンシャンは言う。「米国のFDAで承認されれば、イノベーションの真の証明になる」

(執筆:Sui-Lee WEE記者、翻訳:中丸碧)

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