目標達成できない人は課題の分解ができない 楽天で学んだ商材の最も魅力的な伝え方

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メリット(Benefit)とは、たとえばその商品を購入すると家族の団欒の場がつくれたり、恋人とのデートで素晴らしい時間を過ごせたりするなどの具体的な体験のイメージです。それを何よりも先に、ページの冒頭で画像やキャッチコピーでしっかり伝えることが重要なのです。

今でいうリスティング広告などのランディングページは、ほとんどこのアプローチが取られています。結果にコミットする流行のダイエットプログラムのサイトなどでは、最初にメリット(Benefit)をしっかりと出しているのがよくわかると思います。

営業時でもまず、FABのBenefit から伝える

このFABの手法は、自分自身の営業活動でも大いに役立ちました。また今でもよく使います。たとえば私は、楽天市場でECコンサルタントをしていた時代、店舗さんへの広告販売目標を毎月達成し、未達のことは一度もありませんでした。その勝因の1つに、営業時でもまず、FABのBenefit から伝えていたことがあります。

広告枠を購入したことがない店舗さんには、いかにこの広告枠が他の広告枠より良いか、いかに値段的にお得か、を伝えても、広告の必要性を感じない人には、まったく刺さりません。

『楽天で学んだ「絶対目標達成」7つの鉄則』(日本実業出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

まず相手が中小企業や創業間もない社長であれば、「広告がうまくいって事業が成功してまとまったお金が入ったらどうしますか?」「会社のかっこいい車を買いますか?」「社員みんなでハワイ旅行に行きますか?」といった話で一緒に盛り上がります。まさにBenefitを想起させるわけです。

相手が出世を狙っている管理職だったら、「〇〇さん、この広告を出してここでガツンと成果を出してみませんか?」というのがBenefitだったりします。相手がそれで前向きになれば、次にその広告がなぜいちばん良いか、という話になります。ここまでくればもう広告販売は間違いなくできます。

こうしたFAB、とくにBenefitを相手に想起してアクションを起こしてもらうアプローチは、明日からすぐに成果を出せる営業のアプローチとして非常に有効です。付け加えるならばFABの手法は人材のモチベーションを引き出すマネジメントにもまるごと適用が可能です。

小林 史生 コンサルタント

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こばやし ふみお / Fumio Kobayashi

1974年生まれ。関西学院大学卒。デューク大学経営大学院経営学修士(MBA)。2000年に楽天入社。楽天市場初期の主要メンバーとして複数の事業部長を歴任。2007年からは楽天の国際化を推進し、国際戦略部長としてアジア・欧米での事業開発を担当。その後、米国に8年間駐在し、カリフォルニアでは買収先企業の社長に就任。現在は東証1部上場の鎌倉新書で経営メンバーとして活躍。複数のベンチャー企業への出資やアドバイザーとしての支援なども行う。メールアドレス:kobayashi@proudwork.jp

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