「新卒でないと入りにくく給料も高い」134社 新卒比率8割以上、年収650万円以上で抽出

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小売店の丸井グループ(新卒58人)は、残業時間の少なさには定評がある。月平均3.7時間は昨年11月に発表した「最新版!『残業時間が少ない会社』トップ100」の17位。大手流通ではダントツのトップだ。部署単位での時間外労働の数値目標を設定し、人事部と各部署で進捗管理や改善の取り組みを行う。さらに所属長に結果をフィードバックするなど、「働き方改革」ではトップランナーといえる存在である。

3位は大阪ガスの99.2%。新卒127人に対して中途1人。こちらは有給休暇取得率が2016年度で90.1%と高い。残業時間も月16.3時間と多くない。大卒30歳平均賃金は31万9000円である。推奨資格取得に対する支援金支給や受験料援助といった支援制度も多い。

4位は七十七銀行滋賀銀行が99.1%で並び、6位の京都銀行(99.0%)までが地銀となった。

以下、7位東京海上ホールディングス太平洋セメントの2社(98.9%)、9位大垣共立銀行98.5%、10位は97.6%で鹿島四国電力の2社と続く。

平均年収650万円で足切りをしているにもかかわらず、90%以上は63位のSCSKまで並んだ。100位の三菱重工業日本製紙でも、84.4%と高い数値となっている。

新卒採用占有率の高い会社は長期雇用が継続

今回のランキング対象328社は、新卒比率の平均値が71.6%。あくまで単年度の数値だが、CSRに積極的な会社は新卒占有率が高そうだ。

われわれが過去に行った分析(『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2017年版掲載)では、新卒採用占有率の高い会社は低い会社に比べて売上高や総資産が大きく、新卒3年後離職率も低く、かつ全体の勤続年数も長い傾向にあった。若干ながら、ワーク・ライフ・バランス制度は充実しているものの利益などの成長率は低く、女性比率も低いという傾向も同時に見られた。

このように「新卒採用中心の会社」は、業績が安定した大企業であり、長期雇用が継続している職場が多いようだ。

優秀な学生を新卒で必要な人数を採用し、じっくり育てて長期雇用していく会社はいまだに主流といえる。今後、中途採用を拡大していく可能性もゼロではないが、新卒で一定数確保して離職率も低いと、将来の門戸は広くなりにくい。

大学卒業時(一部は第二新卒も)しか入社できない会社は、間違いなく存在する。よし悪しの判断は人によってさまざまだが、こうした事実は知っておき、より多くの会社を調べる努力はしておいたほうがいいだろう。そうした中から、人気ランキングでは見えてこない、本当に自分にあった会社が選べるかもしれない。

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