研修でこれらの単語をボードに書き出していたとき、ハナコさんが Isn’t a baby deer “a bambi”?(子ジカは「バンビ」ではないのですか?)と聞いてきました。Hanako, ”Bambi” is the fawn’s name!(ハナコさん、「バンビ」というのは、あの物語の子ジカの名前ですよ)!
ジャイアントパンダはなぜジャイアント?
筆者が言った panda bear という単語が気になったようで、ハナコさんのクラスメート、タロウさんが「さっき先生は panda bear って言ったけど、giant panda とは言わないのですか?」と質問してきました。英語ではパンダのことを単に panda と言う以外に、panda bear とも giant panda とも呼ぶことができます。どれでも同じように使って大丈夫です。日本語では「パンダ」か「ジャイアントパンダ」ですよね。
もともと19世紀には panda という単語は「レッサーパンダ」のことを指していました。ところが、20世紀に入ってから「レッサーパンダ」と「ジャイアントパンダ」は生物学的に近い種であると考えられるようになり、「ジャイアントパンダ」のことも panda と呼ぶようになったそうです。そして、ただ panda と言うだけではどちらのことを表すのか紛らわしくなり、lesser panda (小さいパンダ)と giant panda (大きいパンダ)と区別するようになったのです。
後に、両者は思われていたよりも生物学的に近い種ではないと判明したのですが、名前はそのまま残ってしまったようなのです。しかも、いつのまにか単に panda と言った場合には giant panda のほうを表すようになってしまいました。歴史的には「レッサーパンダ」のほうが先に「パンダ」だったのに、あとから「ジャイアントパンダ」に「パンダ」の座を奪われてしまったのですね。
ちなみにその「レッサーパンダ」ですが、英語では lesser というのが蔑称のように感じるということで、現在では通常 red panda と呼ばれています。lesser panda と言うよりも red panda と言ったほうがネーティブには通じると覚えておきましょう。
オフィスに戻ってから、panda という単語自体の語源が気になって、ジョンと一緒に調べてみました。ところが、どうやら正確にその語源はわかっていないようです。英語の panda という単語はフランス語から入ってきたらしいのですが、元をたどるとネパール語で「竹を食べる者」という意味の nigalya ponya というのが語源という説がありました。ただ、これが本当かどうかは現段階ではわかりません。ponya というのが panda という音に変わったのでしょうか。ともあれ、初めは「レッサーパンダ」のことを指していたということは、彼らも竹や笹を食べるということなんですね? レッサーパンダのことはよく知らなかったので、ひとつ勉強になりました。
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