9日の日経平均は508円安、リスク回避強まる  東証1部の時価総額は1週間で約49兆円減少

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 2月9日、東京株式市場で日経平均は大幅反落。下げ幅は一時700円を超えた。前日の米ダウが再び暴落したことで、リスク回避の売りが強まった。写真は都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 9日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落。下げ幅は一時700円を超えた。前日の米ダウが再び暴落したことで、リスク回避の売りが強まった。週間の下落幅は1891円91銭となり、リーマン・ショックのあった2008年の10月6日─10日(2661円71銭)以来の大きさ。東証1部の時価総額は1週間で約49兆円消失した。

日経平均の週間下落率については8.1%と、16年2月8日─12日(11.1%)以来の大きさだった。TOPIXも大幅反落。東証33業種全てが値下がりした。原油相場の調整を受け、石油関連セクターが下落率上位に入った。

東京市場では次期清算システムの稼働準備のため、指数先物・オプションの9日のナイト・セッションの取引は臨時停止される。国内3連休中の海外市場の動向に警戒感が広がる中、「ストラテジーは大きく制限される。大半の投資家がポジションの持ち越しに消極的となっている」(光世証券・執行役員トレーディング・グループ担当の弓手伸一郎氏)との声も聞かれ、売り一巡後は手控えムードが広がった。

日経平均、TOPIXはいずれも6日に付けた取引時間中の年初来安値を手前に下げ渋る動きをみせた一方、日経平均ボラティリティ―指数<.JNIV>は一時38.31ポイントまで上昇。6日に付けた高値を更新するなど、ボラティリティ―は高止まりの状況が続いた。

マネックス証券・チーフストラテジストの広木隆氏は「片側にポジションを傾けたまま3連休を迎えることはできない」とする一方、「『節分天井、彼岸底』という相場格言があるが、3月20─21日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)がある。相場が崩れた後だけに、3月の利上げが見送られるとの観測が出てくる可能性もある、そうなれば底入れムードが広がる展開が見込まれる」とみる。

個別銘柄ではディー・エヌ・エー<2432.T>が前日比で一時10%を超す下落となった。同社は8日、18年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を見直し、純利益の見通しを前年比23.4%減の236億円に引き下げた。主力のゲーム事業が低調だったことが響いたとされており、売り注文が集まった。

半面、河合楽器製作所<7952.T>が大幅に続伸。17年4━12月純利益が前期比16.8%増の16億5500万円だったと8日に発表しており、好感された。ピアノ販売が中国で伸長、北米などでも堅調に推移したほか、デジタルピアノも欧州や北米を中心に伸長した。

東証1部の騰落数は、値上がり244銘柄に対し、値下がりが1796銘柄、変わらずが24銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値 21382.62 -508.24

寄り付き 21507.74

安値/高値 21119.01─21510.3

 

TOPIX<.TOPX>

終値 1731.97 -33.72

寄り付き 1733.02

安値/高値 1708.10─1733.53

 

東証出来高(万株) 213748

東証売買代金(億円) 40017.84

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