35歳女性社長が変えた「突っ張り棒」の常識 平安伸銅工業は、新需要をどう開拓したのか

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「記者時代、けっこう潜入取材がありまして、その『現場主義』は今でも、仕事に向かう基本的姿勢になっています。あと、上司からは何事にも興味を持て、と言われていました。もともと好奇心は強いほうなので、そこは自分の強味だと思います」

実は竹内社長、「DIY FACTORY」というECサイトが運営しているDIYスクールに入学。生徒としていろいろなことを学び、DIYをする顧客はどんなふうに作業し、どんなことに困っているのかを、自ら体験しました。まさに、現場主義。この経験が、その後の商品開発のアイデアに大いに役立っているそうです。

ついていけずに退社する社員も

竹内社長が入社した当時は15人だった従業員も現在は40人。女性社員もかつては経理だけでしたが、今では子育て中の社員も含め16人になり、若い女性の感性が生かされる職場に変わってきています。一方で、竹内社長のやり方についていけずに退社する社員もいて、この7年間で3分の2が入れ替わったそうです。

ここで、社員に辞められるのはつらいと思いますが、どのようにして気持ちを切り替えられるのですか、といささか意地悪な質問をしてみました。

「やはり、いろいろ考えて落ち込みます。一人、会社で泣いたこともあります。でもそういうとき、必ず支えになってくれる人がいるんです。人材派遣会社の方もそうでしたし、デザイナーの方もそう。もちろん、私を信じてついてきてくれる社員さんたちにも支えられました。私、人に恵まれてるなって思うんです。えらそうなことを言えば、経営は人で成り立っている、とホントに思います。お一人お一人に感謝です」

人材で苦労した経営者の、重い言葉だと感じました。

自宅の広いワンルームマンションでの実例を紹介(写真:平安伸銅工業提供)

現在、竹内社長は自ら広告塔となって各種メディアに登場。「突っ張り棒博士」として、さまざまな突っ張り棒の利用法を提案しています。テレビでは、自宅の広いワンルームマンションでの実例を紹介し、説得力のある映像になっています。

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