先ほど述べたとおり、東京マラソンを制限時間内にフィニッシュするためには、42.195kmを6時間30分で走らなければならない。では、それがどれくらいのスピードかというと、1km9分15秒というペースになる。
ほとんどの方がピンとこないと思うが、実は1km9分15秒ペースで走るのはすごく難しい。なぜなら、想像以上に遅いスピードだからだ。
先に結論を言ってしまうと、マラソンで「サブ6.5」(6時間半切り)を達成するには、ジョグとウォークを効果的に組み合わせるのが最適だ。息の上がらない程度のゆっくりペースで走り、疲れてきたらウォーク(早歩き)を織り交ぜる。その平均速度が1km9分15秒以内になれば、笑顔でゴールを迎えることができるのだ。
フルマラソンを難しくしないためには、最初から42.195km先を見るのではなく、その半分、21.0875kmを歩かずに走り切れるだけの“走力”をつけるだけで、本番での「完走」が見えてくる。このことを知っておくだけで、42.195kmが未知の領域ではなくなり、もっと身近に感じることができるだろう。
マラソンは“算数”でできている
マラソンという競技は自分との戦いで、具体的に何と戦うかといえば、タイムになる。その裏には、ちょっとした計算式が潜んでおり、事前に簡単な“方程式”を組み立てておくことで、無理なく「目標」に近づくことができる。そこで、ちょっと計算してみよう。
個人差があるが、だいたいの人は、1kmを10~12分くらいで「早歩き」できる。仮に、疲れてきた中間点以降を1km11分ペースで歩くことになったとしても、そのタイムは3時間52分。目標を6時間30分でのゴールとして逆算すれば、スタートから中間点までを2時間38分で通過できれば、制限時間内でフィニッシュできる計算になる。
ちなみにハーフ2時間38分は1km7分30秒のペース。明らかな体重オーバーのランナーなどでなければ、余裕を持って走れるスピードだ。そう考えると、東京マラソンの「完走」はそれほど難しくない。ほんのちょっとの努力で、誰にでも完走メダルを胸に輝かせるチャンスはある。
では、実際にはどんなトレーニングを行うべきか。「ハーフマラソンを完走する」ことを考えればOKだが、まずは「10kmを走り切る」ためのメニューを考えればいい。なぜなら、ひとりで10kmを走り切ることができれば、実際のレースではハーフマラソンを完走できてしまうからだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら