その理由を説明するのは難しいが、筆者の周りは、普段10km足らずで「きつい」と言っているにもかかわらず、実際のレースではハーフマラソンを悠々と完走しているランナーが多い。おそらく、ある程度の走力がつけば、周囲のムードなどが影響して、本番では普段以上の力を発揮することができるからだろう。
ここまでで、42.195kmが21.0875kmになり、さらには10kmになった。これぐらい分割して考え、トレーニングをすることができれば、東京マラソンの「完走」は近づいてくる。
最後の3週間に心掛けるべき「焦らない」生活
2月23日の東京マラソンまであと5カ月もあるが、トレーニングがしっかりできるのは1月までだと思ってほしい。なぜなら、最後の3週間は「走力」を高めることよりも、「体調」を整えることを意識したほうが効率的だからだ。ギリギリまでトレーニングを詰め込むのは、徹夜で勉強して、試験中に頭が働かないことと同じ。「トレーニング」と「コンディショニング」に分けて考えるのが大人のやり方だ。
ひとりでハーフマラソンの距離を走るのはモチベーション的にも難しいので、1月中に開催されるハーフマラソンの大会に出場して、走力をチェックしておくといいだろう。それまでに、最低でもひとりで10kmを走り切るだけの走力をつけておく。
そのアプローチ方法としては、最初は「5分ジョグ+10分ウォーク+5分ジョグ」くらいから始めるのがいいだろう。余裕を持ってこなせるようになったら、次は「10分ジョグ+5分ウォーク+10分ジョグ」。その次は「30分ジョグ」。その次は「35分ジョグ」というように走る距離を徐々に伸ばしていく。そして、ハーフマラソン出場までに、90分近く連続して走り続けることができれば、ハーフは確実に完走できる。
ペースは特に意識しなくてもいいが、息が上がらない程度のゆっくりしたスピードで十分だ。また、長丁場のレースを想定して、ハイキングや、ウォーキングなどで、長時間カラダを動かし続けることに慣れておくといいだろう。
本番から逆算して、1月にハーフマラソンに出場することを考えると、12月中までには、10kmを走り切れるだけの走力をつけておきたい。そして、最後の3週間は「調整期間」だ。ここからはもう走力はつかないと割り切るくらいでちょうどいい。トレーニング量を徐々に落として、フレッシュな状態で本番を迎えよう。
東京マラソンの本番では、目標はまずは完走すること。そして、中間点以降は、たとえば1km歩いたら、1km走るという感じで、交互にウォークとランを繰り返すと、身体的なダメージが少ない。走る距離が増えれば、5時間台でのフィニッシュも見えてくるはずだ。
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