横浜DeNA岡村社長「バルサがいいお手本だ」

テレビ中継激減で球団経営のあり方は変化

僕らが夢見ているのは、横浜スタジアムに隣接して魅力的な商業ビルがあって、そこにビアホールがあってパブリックビューイングでにぎわう街。現在、すでにスタジアムの約2万9000席はほぼ満員なので、毎試合3000人ほどが、公園のパブリックビューイングでビールを飲みながら観戦している。野毛の飲み屋にいるおじさんたちも、お酒を飲みながらベイスターズの試合を見ているかもしれないけれど、そのにぎわいが横浜スタジアムを中心に広がればいい。街自体をエンタメ空間にしたい。

市役所移転が転機に

関内の街を「エンタメ空間」にしたい(撮影:大澤 誠)

われわれが勝手にそう考えているのではなく、横浜市もこの関内の街のにぎわいをつくってほしいと思っている。なぜなら、(関内駅前にある)横浜市役所が移転するから。市役所にはだいたい5000~6000人働いていて、この街は実は、平日は市役所の職員で成り立っている街。それがごそっと抜けっちゃったら、空洞化してしまう。それを埋める可能性のあるものとして、横浜スタジアムと周辺開発がある。

だから、われわれがもっと積極的に街づくりにも関与して、より魅力的な空間をつくりましょうと言っている。公共の磁場をスポーツで作っていきましょうと。横浜、神奈川を基盤とした、スポーツ産業の拠点ができる。そこはエンタメ、ビジネス、観光空間にもなりうる。

――市役所はいつごろ移転するのですか

2020年。この横浜スタジアムの大改築が終わるのと同じ年だ。

――市役所跡地はどうなるのでしょうか

主導が横浜市なので、まだ跡地が何になるかという決定はされていないが、われわれはそれらの計画に積極的に参加したいという意思は持っている。

――話は変わりますが、野球はサッカーに比して、プロ参入の障壁が高くなっています(編集部注:サッカーの場合、Jリーグ参入はJFLで昇格圏の順位を獲得し、施設基準等をクリアすれば参入可能である一方、野球は高額な加盟料の納付のほか、オーナー会議等の審査に通る必要があります)。プロを目指すチームの少なさが、野球人口の減少にも影響しているという見方もありますが、その点どうお考えでしょうか。

野球人口の減少については、危機感は持っている。だから、われわれは子どもたちに野球を好きになってもらう取り組みを強化している。幼稚園児に「ティーボール」という簡単な野球をアレンジした競技をつくり、親しむ機会を提供するほか、スペシャルアドバイザーとして三浦大輔さんにも参加してもらっている。ベイスターズの帽子を子ども対象に約70万個を配ったり、選手が寮で食べている「青星寮カレー」を学校給食として横浜市で約20万食提供するということもやっている。

ただ、何も全人口が野球をやる必要はないと思っている。多様な社会で、いろんな価値観で得意不得意がある。僕自身は野球が大好きだけど、子どものころの自分の運動能力から言ったら、野球なんて無理。やっぱり自分に合ったスポーツを楽しめるのが重要で、猫も杓子も野球が一番という世界は、僕はいらない。野球は魅力あるスポーツなので、取り組むきっかけさえあれば、未来の筒香(嘉智選手)みたいな子は生まれると思う。

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