横浜DeNA岡村社長「バルサがいいお手本だ」

テレビ中継激減で球団経営のあり方は変化

お客さんに来てもらうには、地域アイデンティティと結び付くのが大事だ。Jリーグは発足当時から地域性の強いかたちで始まったけれど、野球はもともとジャイアンツ戦に依存した、全国型のコンテンツだったわけです。

岡村信悟(おかむらしんご)/ディー・エヌ・エー 執行役員スポーツ事業本部長、横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長、横浜スタジアム代表取締役社長。1970年1月生まれ。 東京都出身。1995年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了後、 郵政省入省。2014年、総務省情報通信政策局郵政行政部企画課企画官(国際協力担当)。2016年4月ディー・エヌ・エー入社、横浜スタジアム代表取締役社長。同年10月横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長就任(撮影:大澤 誠)

地方チームといえば、せいぜい首都圏のジャイアンツさんに対抗するアンチジャイアンツという位置づけで、目立っていたのは名古屋とか近畿圏の阪神くらい。もちろん地域アイデンティティがまったくなかったわけではないが、基本的には全国みんな、ジャイアンツファンかアンチジャイアンツという構図だった。

でも、今は旧来のジャイアンツモデルじゃなくて、北海道や東北、福岡、横浜といった地元に支えられているというモデルに転換しつつある。僕たちも横浜に支えられて、スタジアムが盛り上がっている。

――ある意味、Jリーグに近付いているんですね。

そうだ。Jリーグは当初から放送というより観戦に重きを置いてきた印象がある。スタジアムで共感し合い、生の感動を味わう。応援している同士の連帯感とか、共感力というものがあって、さらに没入していける。個別の選手も重要だけど、鹿島が勝つとか、浦和が勝つとかいう、地域アイデンティティが大きな役割を果たしている。

――動員数の増加には、横浜スタジアムの子会社化も影響していますか。

球団と球場の経営が一緒だから、意思決定者も一緒で、球場の演出などすべて協力できる。いかにファンや地域とコミュニケーションを取るかが大事だが、その量をたくさん、タイミング良くできるのは球団と球場が一体だから。

もちろん一体経営前もお互いに協力していたと思うし、経営母体が一緒になったから急に協力できたわけではない。ただ、別の会社は別の論理で動き、別の社長が最終的な意思決定をする。スピードやできること幅が異なる。今は球団と球場の営業部隊も一体になっている。

ジャイアンツの場合は、(本拠地の)東京ドームは別会社なのでジャイアンツはまさにジャイアンツで儲け、東京ドームは東京ドームで儲けている。両方とも事業規模が巨大だから、両方とも収益を上げられる。僕らの場合は、それぞれの規模が小さいので、まだまだこれから伸びしろがある。神奈川県民は900万人もいるから。

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