パナソニックは欧州での白モノ家電販売に注力 パナソニックヨーロッパのアバディ会長に聞く

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――欧州の白モノ家電ではスロベニアの家電大手ゴレーネ社とも資本提携しました。どうやって今後、連携していきますか。

ゴレーネ社は南欧、東欧で60年以上にわたって仕事をしている会社だ。工場の運営について熟練しており、東欧やロシアの市場も熟知している。われわれにとってグッドパートナーだ。スロベニアでは今後、2つの工場で冷蔵庫と洗濯機の生産を開始していく。

スロベニアは人材コストが中国より安く、人材の質も高い。さらに地理的な面でもメリットが大きい。ロシアと欧州とは自由貿易協定を結んでおり、関税がかからない。スロベニアは欧州でのビジネスにはもってこいの場所だ。

重要なのはイノベーション

――欧州では2012年以降、調理家電や美容家電などの小型家電も手掛けています。ただ小型家電はアジアメーカーの進出により価格下落も進んでいる。どのようにして差別化を図りますか。

パナソニックは価格で勝負をするようなコモディティ商品と競争するつもりはまったくない。コモディティ化を避けて差別化を成功させる唯一の道は、イノベーションを起こすことだ。

われわれがやろうとしているのは、コーヒーマシンなどの調理家電やビューティーケア用品などの分野で新しい市場をつくること。欧州ではハイエンドクラスの顧客は、よりハイテクで、より新しい製品を探している。パナソニックにとってのチャンスは大きいと考えている。
 

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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