維新150周年式典の前に「賊軍の名誉回復」を 前のめりな政府に「東北・北陸」が違和感
今年(2018年)は、明治維新から150年目となる節目の年である。政府は「明治150年」のロゴマークを決め、さまざまな記念行事を展開したい意向のようである。時を合わせるようにNHK大河ドラマ「西郷どん」もスタートした。
こうした「明治維新」礼賛の動きに対して、『薩長史観の正体』の著者である武田鏡村氏が異論を語る。
「薩長史観」を見直すべきとき
明治維新150年記念事業が盛大に行われるかもしれないことについては、正直、違和感を覚えます。
菅義偉官房長官は記者会見で「大きな節目で、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは重要だ」と強調したそうですが、こうした明治を礼賛する背景には「薩長史観」(参考:なぜいま、反「薩長史観」本がブームなのか)があると思います。
つまり明治維新の勝者である薩摩(鹿児島県)、長州(山口県)らが作り上げた、明治を美化する歴史観があるのです。
逆に敗者になった会津(福島県)をはじめとする旧幕府側には、いまだ明治維新に異議ありという意識が強くあるようです。1月9日のテレビ朝日「グッド!モーニング」“池上彰のニュース大辞典”では、いま会津地方で、薩長史観に異議を唱える内容の本がよく売れていると報道していました。
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