英語だけじゃない、職場の「言語」問題 「GM」と略したばかりに大混乱?

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ちなみに社内用語で多いのは、英語からの変型。本来の言葉が持つ意味を勝手に解釈し、造語しています。

「リスケしてくれないか」⇒スケジュールの変更依頼
 「デフォルト金曜日の19時」⇒基本、金曜日の19時

ちなみに、当方が勤務していたリクルート社でも独特の社内用語が幾つも存在していました。

・T職(取締役を指す)
 ・JJ(住宅情報の略、現在の不動産・住宅情報サイトSUUMO(スーモ)の前身)

特にJJは、女性ファッション誌の『JJ』のことを話しているのか?と誤解する外部の人がが続出。ただ、逆に言えば「たしか、あなたはJJの仕事をしていましたよね」と社内用語を理解して話してくれる外部の人は“リクルート通”に見えます。社員との関係の深さを測るバロメーターになっていた気がします。

ZD=ぜんぜんダメ?

もっとローカルな社内用語もあります。たとえば、ZD。営業部などで、仕事の成果が得られなかった(ぜんぜんダメな)ことを意味する言葉です。

「この間、新規で掲載してくれた会社がZDだったんだよね。まずいから、上司を連れてフォローすることにしたよ」

この社内用語を、他社で理解できる人はまずいないでしょうが、お互いが仲間であることを認識するためにも必要な言語だとも言えます。

ちなみに、仲間である証しとして使われるのが、「方言」かもしれません。たとえば、鹿児島の薩摩方言。アクセントが関東方言や関西方言と大きく異なっていることはもちろん、ほかの九州各地の方言と比較しても、韻の踏み方や間の取り方、言い回しなどが大きく違っていて、耳にした者に強い印象を与えます。

これには幕府の隠密(スパイ)侵入を阻止、領内で絆を深めるのが目的であったとの説があります。方言は地域のアイデンティティ(存在価値)を担っていることを示す、という意見もあります。

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